[Analysis]

“Windows銀行”に預けますか?

2003/12/09

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 日本ユニシスは三重県の地方銀行、百五銀行の基幹系システムをWindowsプラットフォームで構築すると発表した。預金取引などを管理する勘定系システムをWindowsで構築するのは世界初。金融基幹系システムでWindowsは普及するのか。メインフレーム、UNIX、Linuxが入り混じる新たな競争が始まったといえるだろう。

 金融分野の基幹系システムでは依然としてメインフレームが主流だ。特に銀行の核ともいえる勘定系システムはメインフレームが圧倒的。銀行が新たに基幹系システムを構築する場合でも、メインフレームを選択するケースが多かった。その中でWindowsで基幹系システムを構築する決断をした百五銀行はコスト削減を求めて“賭け”に打って出たともいえる。金融分野でWindowsの信頼性が低いということではなく、Windowsを使った基幹系システムの事例自体が少なく、まだ評価材料がないというのが実情だ。信頼を含めて、可用性、セキュリティ、オープン環境での相互運用性などユニシスと百五銀行、マイクロソフトは考え得る限りのあらゆる事例をチェックする必要がある。

 もっとも銀行業務のコスト削減が求められる中で、オープン系システムに比べて高コストが指摘されるメインフレームが、今後も生き残っていくかは怪しい。実際、銀行でも情報系システムはUNIXやWindows、Linuxなどオープン系システムが採用されるケースが増えてきた。百五銀行の基幹系システムが稼働するのは2007年度の予定。“Windows銀行”が増えるかどうかは、このプロジェクトにかかっている。

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