[Analysis]

人材育成にもオープン化の波がきた

2003/12/16

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 人材育成にもオープン化の波がやってきたようだ。ITSSユーザー協会の記者発表では、どの企業も人事制度や教育制度の見直しに言及、これまで各社が独自に構築してきたモデルの限界が表れていることを示しているのかもしれない。

 その原因として考えられることは大きく2つほど挙げられる。1つ目は、汎用機開発からオープンシステム開発へと移行する中で、エンジニアの教育・研修制度や評価制度自体が立ち遅れてきたこと。もう1つの理由は、雇用状況が変化し、成果主義が浸透しつつある中で、それに合わせた教育・研修制度が早急に必要になってきたためだ。そこで注目したのが、国が中心となって策定されたITスキル標準(ITSS)である。

 さらに大手SIなどは、ユーザー企業に対して、プロジェクト受注ないし見積もりを提出する段階で、どのような人材レベルの人間をメンバーとして加えるか、それを差別化戦略とばかり、競って提出するようになるかもしれない。となると、大手SIなどを中心に、企業内部のメジャーとして、そして外部への売り込みとして普及を後押しする可能性もあるだろう。

 もちろん、いまの時点でITSSが普及するかどうかは霧の中だ。ただし、ITSSが普及しようがしまいが困らないのは、エンジニア自身のスキルをきちんと客観的に把握できているか、その点にあるのは間違いない。

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