[Analysis]
地方出身者のひがみではなく……
2004/02/10
地方出身者のひがみではないと思いたいのだが、ITは東京への一極集中が過度に進んでいるように思える。大手ITベンダの本社が東京にあるのはもちろん、その主な顧客も東京。新サービスが真っ先に開始されるのも東京エリア。メディアを対象とした記者会見やセミナーも東京で行われることが圧倒的に多い。ベンチャーなどでその萌芽はあるのかもしれないが、地方から有力ITベンダが登場し、東京のITベンダを駆逐する日は来るのだろうか。
だが、現在ベンダ各社が力を入れる中小企業の開拓では、地方の企業がメインターゲットになる。2003年版の中小企業白書によると、2001年の国内中小企業の総数は468万9609社。そのうち、東京の中小企業は54万8591社となっている。大企業が全国1万3430社に対して東京が4728社を占めることを考えると、いかに中小企業が全国にくまなく分散しているかが分かる。つまりITベンダの中小企業戦略とは、いかに地方の企業を攻略するかにかかっているのだ。
そう考えるとマイクロソフトの戦略はよく練られている。マイクロソフトは2001年10月に地方にある地場のシステム・インテグレータと協力し、地方の中小企業に対してIT導入を呼びかける「全国IT推進計画」を開始。この活動を通して、マイクロソフトは「10万社の中小規模企業とコンタクトした」(マイクロソフト 常務執行役 眞柄泰利氏)という。2004年1月末には中小企業向けサーバ「Microsoft Windows Small Business Server 2003 日本語版」を発表。いよいよ収穫期に入ったという認識だ。
国内ベンダも全国各地にある支社、営業所を通じて地方の中小企業を攻めている。東京の大企業のIT化がある程度完了したいま、多くのITベンダが地方に目を向けるようになると思うのだが、これは希望的観測だろうか。
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