[Analysis]

オラクルに勝利の女神は微笑むのか

2004/03/16

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 日本オラクルが新製品「Oracle Database 10g」を4月5日に出荷すると発表した3月3日の記者発表では、その価格が話題になった。特に中小企業の利用を想定、最小契約数の5ユーザーでは9万3000円と10万円を切る設定とした。

 ここ数年、IBMの「DB2 UDB」の低価格化戦略や、マイクロソフトの「SQL Server」がエンタープライズ向けにシフトしたことにより、競争が激化し、オラクルは他社の戦略に巻き込まれる形となった。結果、同社の売上低迷へとつながった。

 しかし、同社は新製品の投入に当たっては、積極果敢に攻める戦略を採用したようだ。IBMとの競争に関して日本オラクル代表取締役社長 新宅正明氏は「IBMは眼中にない」と述べ、中小企業での採用が多いSQL Serverを第1の仮想敵とし、それを下回る価格を提示した。オラクルにとって優位に働きそうなのは、.NETやXMLを強力にサポートするマイクロソフトの次期SQL Server「Yukon」の出荷が遅れそうな点だ。

 経済が上向きつつある中、投資の中では最後に回ってくるといわれるIT投資。では、こうしたオラクルの戦略によって、中小企業のIT投資が本格化した際、勝利の女神はオラクルに微笑むのだろうか。それとも、マイクロソフトが現在前面に押し出している「Windows Small Business Server 2003」に微笑むのだろうか。

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