[Analysis]

ハードベンダのアキレス腱、それはシステム構築

2004/05/11

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 ハードベンダ各社の2004年3月期決算が出そろった。その前の期(2003年3月期)と比べ、各社とも大幅な増益を達成した。リストラ策などが奏功し、V字回復を達成した、といいたいが……。

 各社とも記者会見などでは、事業のリストラ、選択と集中がうまくいったかのような発言があった。例えばNECでは日立製作所と共同設立したエルピーダメモリが四半期ベースで初の黒字を達成したこと、NECエレクトロニクスの業績も寄与したこと、といった具合だ。

 しかし指摘しておきたいのは、各社とも共通しているのは、携帯電話やデジタル家電などの好調さが業績を押し上げた面がある点だ。特に半導体などの装置産業では、一定の操業度を上回れば、大幅な利益増が見込める。そういった観点で各社の決算を見直すと、本当の勝負となりそうなのは、今期(2005年度)なのかもしれない。

 多少疑問に思えるのは、NECや富士通では、システム構築サービス部門/ソフトウェア・サービス部門で苦戦しているにもかかわらず、今期は利益が改善すると見込んでいることだ。その自信はどこから表れているのか。そして、その実現のためにどういう施策を取り、それが効果を上げるのか。今後、その点に注目したい。

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