[Analysis]

夏期休暇を台無しにしないために

2004/08/03

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 また夏期休暇がやってくる。2003年の夏期休暇の時期には、Windows XPやWindows 2000の脆弱性を悪用し、感染を広げるワーム「MSBlast」が大流行。多くの情報システム部員、システム・エンジニアの貴重な休暇を台無しにした。今年は昨年と比べて猛暑。日々の疲れもたまっているところだ。ウイルスを心配せずにゆっくりと休暇を取りたいと思っている人も多いだろう。今年は平穏でありますように。

 ウイルスやワームの侵入を防ぐには休暇前にOSやアプリケーションに最新のパッチを適用し、最新の状態にしておくことが大前提だ。セキュリティソフトのウイルス定義ファイルなども最新状態にアップデートしておきたい。または自宅や外出先など社外に持ち出したクライアントPCに感染し、社内ネットワークに接続した時点で感染を拡大させるウイルスが増えている。夏期休暇中に自宅にPCを持ち帰る仕事を行う従業員も多いだろう。アンチウイルスソフトがPCにインストールされているかなど、いつも以上に厳密に確認したい。

 OSベンダなどがセキュリティパッチを配布する前や、各ユーザーがパッチを適用する前に感染が広がる“ゼロデイ・アタック”型のウイルスやワームの発生も心配される。過去の攻撃から定義ファイルを作成し対処するセキュリティソフトでは、ゼロデイ・アタックを防ぐことは難しいとされている。攻撃の“ふるまい”をチェックしてブロックする新型のセキュリティソフトや、企業のセキュリティを統合管理するマネージド・セキュリティサービスを利用するなど、これまでとは異なる対処が必要になるだろう。

 ネットワークやシステムを攻撃するウイルス、ワームは年々高機能になっている。セキュリティベンダはその攻撃をブロックするためにソフトやサービスを強化し続けている。いたちごっこが終わりそうな気配はない。企業は自衛するしかないようだ。

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