[Analysis]

サン、デスクトップ戦略の裏側

2004/09/07

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 米サン・マイクロシステムズ(以下サン)は、2004年に入ったあたりからデスクトップ環境に関する発表を頻繁に行い始めた。2月に来日した社長兼COOジョナサン・シュワルツ(Jonathan Schwartz)氏(来日時はエグゼクティブバイスプレジデント)は、Java Technology Conference 2004 featuring Sun Tech Daysの基調講演で「Java Desktop System」を熱く語った。3次元のデスクトップ・インターフェイス「Project Looking Glass」のデモンストレーションが一般に広く公開されたのもこの頃だ。

 8月30日には「Project Looking Glass」の開発者の1人である川原英哉氏が来日、記者向けに発表会を行った。川原氏は「マイクロソフトも真似をしている」と開発中のLonghornのインターフェイス部分の画面を示し、「皮肉なことだが、自分たちのやっていることが大きく間違っているわけではないとい確信を得た」とコメントしていた。

 サンがJavaのデスクトップ環境の開発にこだわるのは、Linuxのデスクトップ環境がWindows並に近づきつつあること、つまり、対応アプリケーションが増え、投資に値する市場に育ちつつあることを見込んでのことである。だからこそ、Microsoft Visual StudioライクなJava開発環境をリリースし、オープンソース・プロダクトで固めたオフィス製品をリリースし、“革新的なインターフェイス”である「Project Looking Glass」の開発にも注力する。そして、その多くをオープンソースとして開発者に提供している、あるいはする計画である。

 オープンソースとして解放することで開発者をJava陣営に引き込む。サンのデスクトップ戦略はまだ始動したばかりである。

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