[Analysis]

気分はもう“Webブラウザ戦争”

2004/09/28

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 「Webの再発見」と銘打った新しいWebブラウザ「Firefox」が人気だ。9月14日に米国でリリースされたFirefox 1.0のプレビュー版は公開から4日で100万ダウンロードを達成したといい、マイクロソフトのInternet Explorerがシェアを減らしたという一部報道もあった。Firefoxをリリースしたのは、米ネットスケープ・コミュニケーションズのオープンソース・プロジェクトが母体となって生まれた米Mozilla Foundation。ネットスケープといえば、マイクロソフトとのWebブラウザ戦争が思い出される。Firefox対IEの新たな“ブラウザ戦争”が起きるだろうか。

 Firefoxの人気は、ユーザーの新し物好きから来ているだけとはいえない。多くのユーザーが注目しているのはFirefoxのセキュリティ機能だ。ポップアップ広告をブロックする機能はもちろん、SSLで通信が暗号化されたWebサイトにアクセスした際に、Webサイト名やURLをハイライト表示し、ユーザーがフィッシング詐欺などの「なりすまし」に引っかからないようにする機能、有害なActiveXコントロールをブロックする機能などを搭載する。相次ぐコンピュータ・ウイルスの攻撃などでセキュリティに疑問符が付いたままのIEとの違いを鮮明に打ち出している。

 また、Firefoxは1つのウィンドウの中で複数のページを開けるタブブラウザ機能や、RSSフィードを読み込んで最新ニュースなどをブックマーク内に表示する機能を搭載する。

 IE対ネットスケープの第1次Webブラウザ戦争では、有償のネットスケープに対してマイクロソフトがIEをWindows OSにバンドルし、無償で利用できるようにするなどマーケティング主導の戦いだったように思う。しかし、今後起こるかもしれない新しいWebブラウザ戦争では、普及が進むWebアプリケーションのクライアントとしてWebブラウザをどのように位置付けるかが、各社に問われるのは間違いない。よりセキュアなブラウジングを打ち出すWebブラウザを登場するだろうし、Webアプリケーションでの利用を想定し、よりユーザービリティを高めたWebブラウザが登場するかもしれない。

 マイクロソフトが本気になるには、Firefoxなど非IEのWebブラウザのシェアはまだまだ低いが、Webブラウザ=IEという図式は次第に薄れるだろう。

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