[Analysis]
富士通とNRIが同じことを言ったので驚いた
2004/11/09
11月1日、私は野村総合研究所(NRI)が開催したプレス説明会に出席し、IT基盤についての説明を受けていた。NRIのシステムコンサルティング事業本部 ITアーキテクチャーコンサルティング部長 嵯峨野文彦氏は「製品寿命が長い業務アプリケーションと、システム寿命が短いハードウェアやソフトウェア、OSなどのライフサイクルの差を埋める“のりしろ”になるのがIT基盤の核となるミドルウェアです」と説明。私は「へえ、そういう見方もあるのか」と素直に感心し、その日の記事にも書いた。
業務アプリケーションをそのままにして、ハードウェアやソフトウェアだけを更新するには、更新によるシステム環境の変化を吸収するためのミドルウェアが重要になるという。ミドルウェアが柔軟にシステム環境の変化に対応できれば、その変化のショックが業務アプリケーションに伝わることを避けられる。システム環境が変わるたびに業務アプリケーションをカスタマイズしたり、コネクタを追加するといった追加投資をしなくても済むわけだ。
NRIで感心した数日後、今度は富士通で驚くことになった。富士通が11月4日に開催した「Systemwalker V12」と「Interstage V7」の新製品発表で、経営執行役 ソフトウェア事業本部長 棚倉由行氏が「長期間使い続ける業務アプリケーションと、日々変わるプラットフォームのそれぞれのライフサイクルを分離し、ギャップを吸収する」と述べたのだ。まったくNRIと同じじゃないか! と私は驚いた。私がぼんやりしている間にミドルウェア業界はこんな方向に進んでいたのか。ミドルウェアの今後が面白くなってきた。
ところで富士通は11月4日の会見で、「ミドルウェアの世界」(発行:富士通 広報IR室)という冊子を配布した。「ミドルウェアとは?」からはじまり、富士通の取り組み、国内外でのアライアンス活動、導入事例、富士通ミドルウェアの歴史、ミドルウェア用語集と充実した内容だ。ミドルウェアにかける富士通の本気度が伝わってくる。
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