[Analysis]
オラクルのピープル買収提案が正念場
2004/11/23
オラクルによるピープルソフトの買収提案が大詰めを迎えている。約92億ドルに上る買収が成功するのか、失敗するのか。両社にとっては正念場だ。
オラクルは11月19日(米国時間)、ピープルソフトの発行済み株式総数の約60%を取得できることになったと発表した。オラクルはこの結果を受けてピープルソフトの経営陣に対して合併の合意に向けた最終的なミーティングを開催するよう要請する文書を送付した。
オラクルのCEO ラリー・エリソン (Larry Ellison) 氏は「ピープルソフトのオーナーたちの大多数がオラクルに1株当たり24ドルで株式を売却する選択をした。私たちは最終的な合併合意を今週末にでも開始する用意が整っている」とのコメントを発表した。
ピープルソフトは強く反発している。オラクルの買収提案をあらためて拒否。「ピープルソフトの取締役会はオラクルによる提案内容は不適切で、また当社の価値は1株当たり24ドルという買収提案をはるかに上回る」とのコメントを出した。オラクルに対して株式を売却することを決めた株主の多くも「ピープルソフトは1株当たり24ドル以上の価値を持つと考えている」という。
ピープルソフトはオラクルがTOB価格をさらに上げなければ、新株を発行して買収を防止する「ポイズンピル」条項を発動する考え。新株を大量に発行することでオラクルのピープルソフトへの出資比率を下げることができる。オラクルは米デラウェア州の裁判所でピープルソフトのポイズンピル条項の破棄を求めていて、今後の展開は法廷の場に移ることも考えられる。
仮に買収が成功した場合、オラクルはどのように業務アプリケーションを展開していくのだろうか。ピープルソフトを買収することで競合を1つ減らすことができる。しかし、それは最大手のSAPに追いつくことを意味しない。SAPを追いつき、追いこすにはまた別の戦略が必要になる。ピープルソフトを買収するよりもSAPを倒すほうが、オラクルにとっては大仕事かもしれない。
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