[Analysis]

オンデマンドはいつまでニッチか

2004/12/14

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 「セールスフォース・ドットコムは将来的にもニッチだろう。しかし、その反面、セールスフォース・ドットコムのビジネスはオンデマンドのビジネスに大きな影響を与える。多くの顧客は将来的にオンデマンドに移行するだろう」(米オラクル オラクル・オン・デマンド担当エグゼクティブ・バイスプレジデント ユーゲン・ロトラー[Juergen Rottler]氏)

 “情報”をテーマに打ち出した米オラクルのイベント「Oracle OpenWorld」の隠されたテーマは「オンデマンド」だった。情報を重視するIT戦略のポイントは、システムの複雑性をいかに隠ぺいし、運用管理コストを下げるかということ。その究極の姿がオンデマンドだからだ。

 オラクルは、顧客企業のOracleデータベースや業務アプリケーションのE-Business Suiteをデータセンターでホスティングし、運用管理や障害監視をサービスとして提供する「Oracle On Demand」を提供している。オラクルのエンジニアが管理し、高品質なサービスを提供できるという。

 ロトラー氏は「顧客はサービスを受けたいと考えている」と述べた。ハードウェアやソフトウェアなどの資産を持つことを敬遠する企業が多くなり、ITが生み出すサービスだけを受け取りたいと考える企業が増えている。オラクルが「Oracle Application Server 10g Release 2」で打ち出した「サービス指向アーキテクチャ」(SOA)もその流れを反映している。

 ロトラー氏は将来的にソフトウェアのライセンス料を低減する代わりに、オンデマンドサービスの月額料を上乗せする新しいライセンス体系の導入を検討することを明らかにした。ロトラー氏は、「オラクルにとって重要なことはオンデマンドビジネスで成長することではなく、オンデマンドを可能とする環境をつくること」として、「市場は変わりつつある。オラクルは最もよい立場にあるだろう」と強調した。

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