[Analysis]

プログラマとアーキテクト

2005/01/12

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 2003年5月に発足した「ビジネスモデリング研究会」という有志団体がある。豆蔵やウルシステムズ、オージス総研、TISなどの開発者側と清水建設やサントリーといったユーザー企業の有志が集い、要求開発の方法論を確立することを目的に夜な夜な勉強会を開いている。発足して2年にも満たないが順調に有志数を拡大し続けており、2005年にはNPOとして正式申請を行う予定だ。

 顧客の要求を正確に把握し、(その情報を)システムの設計段階に流し込むことのあまりの困難さ、煩雑さにへき易しているという声を開発現場からよく聞こえる。要求は開発される必要がある。つまり、要求を開発するものとして定義し直し、そのプロセスを統一してしまえば、従来のような混乱が少しでも回避できるのではないか。ビジネスモデリング研究会は、(要求を出す)ユーザー企業を活動の中心に置くことで、現実的な解を導こうとしている。

 ソフトウェア開発をめぐる最近の動きは2つに大別できる。プロジェクト・マネジメント力の強化と、アーキテクチャの構築力強化だ。管理面と技術面の2つのアプローチでソフトウェア開発の効率性向上を図ろうというわけである。ビジネスモデリング研究会の動きは、後者、すなわちアーキテクトのスキル強化に属する。

 プログラマの歩む道はさまざまだ。究極の凄腕プログラマを目指す者がいれば、プロジェクト・マネージャにキャリアアップの道を見いだす者がいる。そして、技術力を高めながら、アーキテクトとして自らのキャリアを積み上げていくプログラマもいる。ビジネスモデリング研究会の面々はいずれも3番目の道を歩む人々である。

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