[Analysis]
サンに再び風が吹くか
2005/02/01
サン・マイクロシステムズが1月25日(現地時間)、Solaris 10のソースコードの公開を発表した。2005年第2四半期には1600件以上の特許もオープンソース化して、コミュニティWebサイト「opensolaris.org」を通じて公開する。この知的財産についての新しい戦略はサンに何をもたらすのだろうか。
サンは発表文の中でソースコード公開の理由を「サンから特許使用許諾を得るプロセスを省くことでイノベーションを促進し、オープンソースによる新しい製品や技術のより迅速な市場投入と利用を促す」と説明している。
確かにサンがSolarisのソースコードを公開することで、ソフトウェアベンダはSolarisを組み込んだパッケージ製品の開発が可能になる。例えばSolarisを組み込み、チューニングを最適化したデータベースソフトや業務アプリケーションなどが考えられるだろう。また、現在Linuxがシェアを伸ばしている組み込みソフトウェア開発の分野でもSolarisの技術が利用できる。Solarisがバックで動いているカーナビが登場するかもしれない。
ただ、このSolaris 10のソースコード公開や関連特許のオープンソース化で開発者をすぐに引き付けられるかについては、疑問視する声が多い。本来、Solarisユーザーになるはずだった開発者の多くはLinuxに流れてしまった。この開発者を取り戻すにはサンのさらなる取り組みが必要になるだろう。
もう少し早い時期にサンがSolarisをオープンソース化して、Linuxコミュニティとよい関係を結んでいれば、現在のサンの苦境はなかったという声も聞こえる。エンタープライズ業務を支えるSolarisの各技術をこの段階でコミュニティに公開していれば、Linuxコミュニティのサンを見る目も違っただろう。Linuxを取り巻く現在の業界地図の中心にサンがいたかもしれない。
ともあれ、サンはSolaris 10を公開し、関連特許をオープンソース化した。最初にソースコードを公開した技術はOSのパフォーマンスを監視し、リアルタイムでチューニングできる「DTrace」だ。DTraceのダウンロードが公開後40時間で3600件以上になったとの報道もあった。サンに再び風は吹くのか。注目したい。
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