[Analysis]

UNIXサーバがレガシーに転落?

2005/04/12

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 IAサーバの基幹系システムへの進出が続いている。4月6日には富士通がメインフレーム級の性能、信頼性をうたい文句にする新しい基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を発表した。プロセッサはインテルのItanium 2、そしてOSはRed Hat LinuxとSUSE LINUX、Windows Server 2003をサポートする。対してIAサーバの影で存在が薄くなっているのが、x86プロセッサ以外のRISCプロセッサなどを搭載したUNIXサーバだ。IAサーバを売り込みたいベンダからは「UNIXはレガシーシステムだ」との声も聞こえてくる。

 ガートナー ジャパンが3月16日に発表した2004年の国内サーバの市場動向調査によると、インテル、AMDのx86プロセッサを搭載したIAサーバの出荷台数は16.9%増、出荷金額は7.7%の増加だった。一方、UNIXサーバは出荷台数で1.8%の減少、出荷金額で13.3%減となった。UNIXサーバはローエンドとミッドレンジの落ち込みが激しく、この分野でIAサーバの侵食を受けていることが分かる。

 UNIXサーバは今後、ローエンド、ミッドレンジの市場で大きく伸びることはないだろう。ローエンド、ミッドレンジではコストパフォーマンスのよさが受け入れられて、IAサーバがメインストリームになる。では、基幹系システムなどのハイエンド市場はどうだろうか。この分野ではUNIXサーバに一日の長がある。LinuxやWindowsが64ビット対応などでミッションクリティカル分野への対応を進めているといっても、既存の基幹系システムの多くはUNIXやメインフレームで稼働している。UNIXサーバは企業のアセット(資産)として残っている。信頼性と実績が第一に考えられるミッションクリティカル分野で、IAサーバがUNIXサーバの地位を崩すのはそう簡単ではないだろう。

 ただ、UNIXサーバ対IAサーバの構図が3年後どうなっているかは分からない。富士通のPRIMEQUEST、日立製作所の「BladeSymphony」などItanium 2プロセッサを搭載する基幹系IAサーバの発表が相次いでいる。「2005年はミッションクリティカルLinuxがこれまで以上に現実的な話として注目と関心を集めることが予想される」(ガートナー)。UNIXサーバがレガシーにならないためには、この数年が踏ん張りどころといえるだろう。Solarisのソースコードを公開するサン・マイクロシステムズの「OpenSolaris」など、LinuxやWindowsを意識したベンダの動きも活発になるのではないか。

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