[Analysis]

「Firefox」どうでしょう

2005/11/15

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 オープンソースで開発されているWebブラウザ「Firefox」が登場して1年が過ぎた。累計のダウンロードは1億回を超え、「Internet Explorer」に迫るとはいえないものの、存在感を示しつつある。

 Firefoxが受け入れられたのは、IEにはない機能や高いセキュリティが、ユーザーのニーズにマッチしたからだ。特に注目を集めたのはセキュリティで、コンピュータ・ウイルスやスパイウェアなどの標的にされやすいIEから、Firefoxに乗り換えたというユーザーは多い。ただ、登場から1年がたち、Firefoxのセキュリティのバグも複数見つかっている。Firefoxの利用がIEと同等まで高まることになれば、Firefoxが狙われる確率も高くなる。

 一方、企業のWebアプリケーションではFirefoxへの対応はいまいち。JavaScriptなどの互換の問題でFirefoxがうまく動作しないケースもある。そのためIEとFirefoxを並存して使っている利用者は多い。Webアプリケーションの開発者にとっては、利用者シェアが10%程度のWebブラウザのためにWebアプリケーションを改造、テスト、メンテナンスするのは大変だという思いもあるだろう。

 現時点でのFirefoxの功績を挙げるなら、「WebブラウザはIEでなくてもいい」「IE以外のWebブラウザがあることを前提にアプリケーションを開発する必要がある」ということを多くのユーザーや開発者に気づかせたことだろう。Mozillaコードをベースにし、ブログエディタやオンラインブックマークなどの機能を搭載した新Webブラウザ「Flock」も登場した。Webブラウザの操作性やセキュリティはユーザーの生産性に直結するだけに、IE、FirefoxをはじめとするWebブラウザの動向は注視が必要だ。

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