[Analysis]

日の丸ソフトウェアの明日は

2006/04/11

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 「低レイヤのソフトウェア開発を実現したいと思い、ソフトイーサを設立した」。3月31日にマイクロソフトが開催したイベントに出席したソフトイーサの代表取締役社長 登大遊氏。彼の言葉が印象的だった。Web 2.0やAjaxなどIT業界の話題のキーワードはいずれも上位レイヤの話。国内企業がどれほど優れたアプリケーションやサービスを開発しても、その基盤レイヤを開発していないと、おいしいところは海外ベンダに持っていかれる――これが登氏の発言の趣旨だった。

 日本のIT企業が低レイヤ技術の開発を怠ってきたということはない。国内の大手総合IT企業はいずれもグループに研究施設を持ち、ITの基礎研究を長く続けてきた。世界にインパクトを与えた技術開発も行われた。しかし、世界標準となっている技術は多くないように思える。それは世界標準を目指す意識が希薄だったのか、それも世界に広げるためのマーケティングが下手だったのか。

 もちろん米国の標準がイコール世界標準、ではない。登氏が参加したのは学生向けのイベントだった。参加した学生の何人かは登氏の気骨を感じたのではないだろうか。

 一方、ソフトウェア開発を日本・海外と区分けすることについて意味があるのか、という議論もある。例えば、世界のエンジニアが参加して開発しているオープンソースソフトウェア。開発場所が日本であろうと、米国であろうと、南極であろうと、いい貢献をしたエンジニアは素直に賞賛されるだろう。「日本」を背負うことで肩に力が入ってしまっては元も子もないともいえる。

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