[Analysis]
ついに出た個人用フィッシング対策ツールは必要?
2006/05/16
ついに個人ユーザー向けフィッシング対策ツールがセキュアブレインからリリースされた。いままでウイルス対策やスパイウェア対策ソフトは提供されてきたが、個人向けのフィッシング対策ツールは国内初だという。果たして、フィッシング対策ツールは必要なのか?
このフィッシング対策ツール「Internet SagiWall」は、Webブラウザにプラグイン形式でインストールすると、フィッシング詐欺サイトやワンクリック詐欺サイトを訪問した際に、独自のヒューリスティック技術を用いたエンジンでそのWebサイトを解析し、詐欺サイトであるかどうかをチェックするというもの。詐欺サイトであるかどうかは、URL情報をWhoisに問い合わせたり、HTMLの内容を解析して総合的に判断する。また、Webサイトで画像などをクリックしただけで不当に会員料金などの振込みを要求する「ワンクリック詐欺サイト」へも対応している。
しかし、このようなフィッシング対策ツールは必要なのだろうか。セキュアブレインの星澤裕二氏は、「2005年のサイバー犯罪の検挙件数は、2004年より50%以上増加し、特に詐欺事件は前年比で約2.6倍に急増した。特にオークションを利用したものが多かった。例えば、Yahoo! オークションのフィッシングサイトだけで70種類以上が確認されている」と警告。実際に、クレジットカード会員がフィッシング詐欺サイトの被害に遭い、偽造カードで約150万円を引き出される事件なども起きている。
企業側はこういったフィッシング詐欺事件の急増を受けて、自社がフィッシング詐欺被害に遭った場合のイメージ低下などを懸念。すでにJCBやDCカードなどがフィッシング対策ソリューションを導入した。ただし、個人ユーザーの間では、ウイルスやスパイウェアなどと比較すると、まだフィッシング詐欺の危険性を低く認識しているユーザーが多いのではないだろうか。
しかし、オークション詐欺やワンクリック詐欺が急増しているのも事実だ。個人向けのフィッシング詐欺対策ソフトも、今後セキュリティベンダ各社からリリースされるだろう。オークションを頻繁に利用するユーザーや、ワンクリック詐欺が怖いユーザーなどは、今後ウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトと並んで、フィッシング対策ツールの導入を検討する必要がありそうだ。
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