[コラム:Spencer F. Katt]
赤い帽子をかぶったサンの新サーバ
2002/8/24
サン・マイクロシステムズのスタッフたちは、どうやらスコット・マクニーリほど「Sun Linux 5.0」には満足していないようだね……。
サンフランシスコで開催されたLinuxWorldで、サンのブースに立ち寄ったレッドハットのエグゼクティブ一行は、モスコーンセンターで初めてベールを脱いだサンの最新サーバ「LX50」を見て、びっくり仰天したらしい。展示されていた新しいサーバのいくつかで、Sun Linuxではなく、Red Hat Linuxが稼動していたからだ。
その話を聞いて吾輩も耳を疑ったが、ことの真偽を確かめるべく展示会場に侵入し、この目で確認したところ、確かに何台かのサーバでレッドハットのLinuxが動いていた。
ブースの担当者によると、サンではSun Linux 5.0を開発している間、サーバの稼働テストはレッドハット製品で行われていたそうだ。現在、Sun Linux 5.0はすでに完成しているけど、ブースの技術スタッフはあまり馴染みのないOSで新しいサーバのデモをやりたくなかったようだ。
「いずれにしても、ウチのLinuxとレッドハットのディストリビューションはよく似てるんですよ。新サーバの本格出荷は今月末ですが、それまでに可能な限りSun Linux 5.0をチューンナップするつもりです」(担当者)
ま、吾輩にしてみたら、LinuxWorldにマイクロソフトが参加したことも、十分ショッキングではあったけどね……。
それはそうと、最近、ワシントンD.C.エリアで「WISE(Wireless Information Security Experiment)」と呼ばれる無線情報セキュリティ実験プロジェクトが進行中だ。なんでも、無線ハッカーをワナにかけ、彼らのハッキングの手口を検証するために構築された無線ハニーネット(おとり網)らしい。
情報システム会社のサイエンス・アプリケーション・インターナショナルが、オープンアクセスポイントやセキュリティをかけていないコンピュータ、アンテナを使って、無線ネットワークへの侵入を狙うハッカーや帯域ドロボーたちを特定し(捕まえるわけではない)、不正行為を検証するという。
また、WISEプロジェクトではハッカーの手口を検証することに加え、802.11bに対する攻撃が実際にどの程度行われているかについても評価検討するらしい。
ワシントンD.C.のような都市部における無線ハッカーの急速な増加は、オンラインニュースや掲示板を見れば明らかだけど、どうしてサイエンス・アプリケーションは、おとり網の存在を公開したのだろう? ハッカーを挑発するより、ワナを仕掛けて静かに待ち受けていればいいのに……。
吾輩は、WISEプロジェクトが公開されたことについて、1999年からハッカーの活動を追跡、監視、プロファイリングしている「ハニーネット・プロジェクト」のランス・スピッツナーに意見を聞いた。
「個人的な考えだけど、実験公開のアナウンス自体は、特に問題じゃないと思うね。ハニーネットやハニーポットは巧妙に構築すれば、ハッカーたちには見分けがつかないし、おとり網に引っかかったことさえ認識できないだろうからね」
というのが、彼の回答だった。なるほど、そういうものか。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週末更新予定です
[英文記事]
Katt Catches Sun's
New Servers Red Hatted
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