[コラム:Spencer F. Katt]
対決:負けたらポルシェを差し上げます

2002/9/28


 先週、メールボックスを整理していたら、「EMCに挑戦する」というデータコアからの電子メールが見つかった。同社はストレージ仮想化ソフトの新興ベンダだが、なんでもポルシェ911ターボの新車(13万7140ドル相当)またはそれと同額の慈善団体への寄付金を賭けて、自社製品のSANsymphonyとEMCのSymmetrixで1対1の性能比較にチャレンジするのだそうだ。

 データコアは、負けたらEMCにポルシェの新車をくれてやるというのだけど、なぜ911ターボなのだろう? もしかしたら、データコア側の精一杯の挑発なのかもしれない。実はEMCのCEO、ジョー・トゥッチの愛車がポルシェなのだ。

 データコアに挑戦状をたたきつけられたEMCは、この件についてどう対応するつもりか、吾輩は同社のスポークスマン、マイク・オマリーに電話で聞いてみた。すると……。

 「まぁ、死に物狂いのマーケティング戦術の1つであることは明らかです。そんなお金があるなら、ほかのことに投資すべきだと思いますよ。例えば、エンジニアリングとか。ウチは顧客のサポートで忙しいですから、くだらないパブリシティには付き合ってられませんね」だとさ。

 話は変わるが、マイクロソフトのプラットフォーム・グループは、有力なCRMベンダが.NETに乗ってこないため、徐々に不満を募らせている模様だ。ある情報筋によると、レドモンドの怒りはピープルソフトやオラクル、SAP、エピファニー、カナなどに向けられているという。これらのベンダはマイクロソフトの次期CRM製品より、むしろJava対応に力を入れているからだ。

 また、その情報筋の話では、マイクロソフトから“本物の”CRM製品が登場するのは1年もしくは2年以上先になるかもしれない、と同社の関係者が嘆いているらしい。次の第4四半期に予定されているファーストリリースでは、ユーザーがリスクを負うことになるかもしれない。より完成度の高いセカンドリリースへのアップグレードは、かなりトリッキーなものになりそうだという。

 それはさておき、先週、セールスフォース・ドットコムが新たに提供するホストサービス、Team Editionの発表パーティがあった。招待客に渡されたプロモーショナルパッケージにはフットボール観戦が含まれていたけど、なぜかパーティの名前は「The No Software World Series」で、会場はサンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地パックベル・パークだった。

 残念なことに、当初、発表パーティはスリーコム・パークでフォーティナイナーズのゲーム観戦が予定されていたが、フットボールのチケットを手配する前に会場が変更されたらしい。

 最近、非常に面白い発見があった。吾輩の悪友が「Googleでクオーテーションマーク付きの『"go to hell"』を検索してみろ。笑えるぞ」というので、いわれたとおりにやってみた。検索結果は、最初が“Microsoft Corporation”で、その次がHell.comだった。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週末更新予定です

[英文記事]
Startup Bets EMC; Lack of CRM Support Riles Redmond

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