[コラム:Spencer F. Katt]
ネットワーク監視ツールで御用!

2002/10/26


 大企業ともなると、WANにも優れた監視ツールが必要なようだ。あるベンダーの話だけど、従業員の何人かが使用料の高いT1回線を使って「Doom」というゲームにハマっていたらしい。同社では、高性能なWAN監視ツールを導入して、その事実を発見した。どうやら従業員たちは、大西洋をまたいでネットゲームに興じていたことが、監視ツールで発覚するとは思ってもみなかったようだね。

 吾輩もばれないうちに、eWEEKのサーバーからクロディーヌ・ロンジェのMP3フォルダを早いとこ削除しておかねば……。

 情報筋によると、欧州でも自社のネットワーク上の怪しげな動きを感知したサービスプロバイダがいたらしい。その会社は、ネットワーク上を流れる不審なIPアドレスを見つけた。さっそくWANモニターで分析したところ、問題のトラフィックは同社のソースコード・サーバに向かって流れていることが分かった。さらに調べてみると、それはなんと競合他社からのものだったのだ!

 最近は倫理という言葉も死語になりつつあるね。吾輩の若い頃は、産業スパイもちゃんとターゲットの会社に就職したものだけど……。

 WAN監視ツールはまた、最近、フロリダで会社を逆恨みした従業員を当局が逮捕するときにも役に立った。容疑者は同僚のコンピュータを内緒で使用し、米連邦捜査局(FBI)に爆弾を仕掛けるぞと脅迫メールを送ったのだ。FBIが応じないでいると、いらだった犯人は、なぜ応答がないのか、とFBIに問い合わせてきた。が、今度は自分のPCを使ったのだ。捜査にはWANモニターが投入され、精神に異常をきたした犯人のIPアドレスは、直ちに特定されたという。

 それはさておき、吾輩が耳にしたウワサでは、ネットスカウトが買収相手か新しいパートナーを探しているらしい。その一方、同社最大のライバルであるネットワーク・アソシエイツのSniffer部門も、プロトコル・キャプチャ・デコーディング・エンジンのOEM先を求めているという。ひょっとすると、ひょっとするかもしれない。

 最近の四半期決算では、一見好調そうに見えたSniffer部門だが、沈没前の船を見捨てるかのように、従業員が相次いで離れている。今後販売が低迷するとの見通しもあり、ネットワーク・アソシエイツを巡るウワサは徐々に真実味を帯びつつあるようだ。

 決算といえば、レックスマークが先ごろ収益予測を発表したけど、同社は今期、CRMシステムを破棄するために1580万ドルの損失を計上するらしい。で、ウォールストリートジャーナル紙が「犯人はシーベルだ」と名指ししため、シーベル株が急落。ところが後日、レックスマークの幹部は、破棄した実装システムがシーベルのものではなく、オラクルのCRMであることを明らかにした。濡れ衣をかぶせられたシーベルは、とんだ災難だったね。

@IT編集局注釈:
【クロディーヌ・ロンジェ】フワフワ系ウィスパー・ヴォイスのお手本のような伝説の歌姫。1976年に起こったある悲惨な出来事が原因でショウビズ界を去る。その悲惨さはカーペンターズ(同じレコード会社!)を上回るとも言われる。ベストワークは『恋は水色』。デジタル・リマスター・ベストが1998年に日本で発売された。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週末更新予定です

[英文記事]
Network Monitors Spell Doom for Some Workers

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