[コラム:Spencer F. Katt]
通話不能のIP電話に泣く証券会社

2002/11/26


 吾輩は先週、古風な方法で情報を入手した。つまり、その、公衆電話ボックスの中で身を縮めながら、コソコソ話す情報屋からのタレコミだ。

 電話機にコインを落としながら、その人物が話してくれたところによると、リーマンブラザース証券では、この夏に導入したIP電話システムがうまく機能せず、社内に怨嗟(えんさ)の声が渦巻いているという。状況はまさに「悲惨」の一言らしい。ときには30分以上も通話不能に陥ることもあるそうだ……。

 さらにコインを投入しながら、情報屋はこう続けた。「システムのセットアップは、シスコに頼むべきだったな。あそこじゃ、すでに3万4000人の従業員がIP電話を利用しているらしいよ。社内の100台のPBXも自社のIP通信機器にリプレース済みだしね」

 ところで先週、シカゴ・ヒルトンで開催されたコンピュータ・セキュリティ・インスティチュートのカンファレンスに、吾輩の情報網のセキュリティ担当チーフを自認する友人が視察に行ってきた。その友人によると、会場ではBMCが“Certified by SAP”とプリントしたTシャツを配っていたそうだ。ところが来場者の間では、BMCがSAPの厳格な基準に適合するわけがない、Tシャツの表記は虚偽広告だ、という声が出たらしい。

 「でもね、BMCの言うことを信用できないというのなら、SAPのWebサイトをチェックしてみればいい。同社はちゃんとSAPのパートナーとしてリストアップされているよ」と友人は語る。

 サンフランシスコに本拠を置くポータルベンダ、エピセントリックの従業員たちはおそらく、大手ソフトメーカーのビグネットによる買収に戦々恐々としているに違いないね。実際、エピセントリックで働く吾輩の知人は、仕事を失う心配だけでなく、買収の詳細を記述したメモの内容に浮き足立っている。そこには従業員のストックオプションをキャンセルすることも含まれているそうだ。ビグネットは先月末、エピセントリックを総額3200万ドルのキャッシュと株式で買収した。

 最近、ハベアスに勤める俳句仲間から聞いた話だけど、同社のユニークなスパム対策サービスが、サンベルト・ソフトウェアのメールフィルタリングソフト「iHateSpam」の最新リリースに統合されたらしい。

 ハベアスのサービスは、電子メールのヘッダにワラントマークと呼ばれる商標と著作権で保護された俳句のセットを埋め込む仕組みだ。もしスパマーがハベアスのワラントマークを不正に使用した場合、国際的な商標および著作権に関する法律で訴えることができる。

 Microsoft OutlookやOutlook ExpressにiHateSpamフィルタを実装しているユーザーには朗報だね。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
If You Need An Operator, Don't Phone Lehman

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