[コラム:Spencer F. Katt]
ペレグリンに自律回復の道はあるか?
2002/12/10
ペレグリン・システムズのサンディエゴ本社で、近いうちにシナトラの名曲「It Was a Very Good Year*」が流れるとは、吾輩も思っていない。が、同社では1億ドルもの不正経理が発覚し、CEOとCFO、会長を失い、数え切れないほど多くの株主から訴訟を起こされ、NASDAQで上場廃止となり、2つの事業(レメディとハービンガー/エクストリシティ)を売却した。
もっとも、吾輩の誇るべきキャリアにも汚点があるように、ペレグリンがここで挫折したとしても、それですべてがアウトになるわけではない。ウワサによると、同社は来年のリリースを目指して、資産サービス管理システムを自動化する自己管理、自律回復型ソフトの開発を進めているという。そうした努力は、パートナーであるIBMの研究開発を補完するものになるだろう。
また同社は、自社アプリケーション用にWebアクセス機能の開発を計画しているそうだ。なんでも、SOAPなどの業界標準をサポートし、ERPなどの各種技術を統合化する手段としてWebサービスを製品に組み込もうという狙いだとか。
それはさておき、吾輩は先週、大渋滞と戦いながら「ソフトウェア開発会議」が開催されたビーンタウンまでドライブし、Javaのゴッドファーザーと呼ばれるジェームズ・ゴスリングのスピーチを聴きに行った。にもかかわらず、吾輩はそのあと、会場で睡魔と戦っていたのであるが……。
ゴスリング自身は退屈なスピーチをやっている間、かろうじて起きているように見えた。しかし、ハインズ・コンベンションセンターの職員が機材を満載した手押し車をゴロゴロ押し、ステージのうしろを横断し始めたとき、彼はあまりの騒音に目を見開き、しばし絶句した後、その音がいかに大きかったか訴え、会場全体を笑いの渦に巻き込んだのだ。
その後、ゴスリングは完全に覚醒(かくせい)したように見えた。Javaの天才は聴衆に向かって、こう促した。
「じゃ、みなさん、ここで3つ数えますから、ご一緒に”静かにしろ!”と叫びましょう。いいですか、ワン、ツー、スリー、静かにしろ!」
ある情報筋によると、コンピュータ・アソシエイツでマイクロマネジメント(やたらと細かく指示する管理手法)の導入が、1つの家庭から始まるかもしれないという。その家庭とは、サンジェイ・クマー会長兼CEOの自宅のことだ。会長は、自社製品をすべて自宅で個人的にベータテストする考えだという。クマーと彼の奥さんは、自宅で会社の製品をテストし、感想と批評を開発部門にフィードバックするつもりなのだ。
が、問題は、果たしてミセス・クマーが複雑な製品を使いこなせるか、という点だね。もし使いこなせないとなると、開発陣は設計を見直さなければならなくなるかも……。
そういえば、サンジェイはホッケーチーム「ニューヨーク・アイランダース」の共同オーナーの1人でもあった。できることなら、センターのスラップショットを同じようなやり方でテストすると言い出さないでくれることを願うばかりだ。
編集局注釈 フランク・シナトラ(Frank Sinatra:1915〜1998)が人生の哀愁を込めて歌った名曲。17歳、21歳、35歳という人生の節目に出会った恋をシナトラは独特の甘い歌声に乗せて回想する。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
Peregrine Turns
to Self-Healing Remedies
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