[コラム:Spencer
F. Katt]
暖炉の前で2002年を振り返れば……
2003/1/7
底冷えする冬至の前夜、いつもの年と同じように、吾輩は暖炉の前で身を丸め、来るべき未来を暗示するような出来事はなかったかと、メモを整理しながら昨年1年を振り返った。
2月11日のコラムで吾輩は、スーパーボウル中継の広告キャンペーンがAT&Tワイヤレスの「mLife」サイトに火をつけるだろう、と指摘した。実際、同社のCMを見て津波のように押し寄せたビジターの数は、Webサイトの対応能力をはるかに超えたという。
試合の中継中、このWebサイトへアクセスできなかった人々のディスプレイは、技術的な接続障害が発生したとして、緊急サポートの電話番号がいくつか表示された。ところがそのうちの1つは、どういうわけかウォルマートの電話番号だった……。
ところで、CEOを病院送りにするには、いったい何人の上級役員が辞表を叩きつければいいだろう? 正解は、「少なくとも4人」だね。
2月18日のコラムで、ノベルから重要な人材が何人か流出する可能性がある、と吾輩は予言した。それは3月11日までに現実のものとなったが、そのストレスがCEOのジャック・メスマンを打ちのめしたのだ。4人のトップエグゼクティブが退社した後、CEOは胸の痛みを訴えて緊急入院した。
「DOSはいまでも生きている。少なくとも連邦準備銀行の中ではね」と、4月1日のコラムで書いた。というのも、連邦準備制度理事会が、FedLineサービスをWindows NTに移行する計画を取りやめたと発表したからだ。どうやら現在も全米1万社以上の金融機関が、DOSベースのFedLineを利用して日常的に数十億ドルの送金を行っている模様……。
7月22日のコラムでは、株価が160ドルから1ドル以下に急落したCMGIが、ニューイングランド・パトリオッツとのスタジアム・ネーミング契約を破棄するかもしれないと予測した。果たして2週間後、めでたくジレット・スタジアムが誕生した。
8月5日のコラムで、ユービッド会員のパスワード詐取を目的とする悪質な電子メールが出現した、と読者に注意を喚起した。その電子メールは件名に「Ubid--security, please follow instructions(セキュリティのため、次の指示に従ってください)」とあり、ユービッドのホームページによく似た偽サイトへのリンクが張られていた。うっかり信用したユーザーは、そこでログインIDとパスワードの入力を求められるという仕組みだ。最近、イーベイでも同様の偽メールが現れたという。
9月9日のコラムでは、財務的に窮地に陥ったプレグリン・システムからレメディー部門がスピンオフする可能性があり、BMCソフトウェアが買収に乗り気だという話を伝えた。そのわずか2週間後、プレグリンは連邦破産法11条の適用を申請し、レメディーをBMCに3500万ドルで売却すると発表した。
とはいえ、今年も予測できない出来事は数多くあった。できれば今年は、もっと精度の高い情報を読者諸兄にお伝えしたいと思っております。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
El Gato Basks
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