[コラム:Spencer F. Katt]
管理ソフト市場で再編の動きが活発化?

2003/2/11


 ホリデーシーズンも早々と過ぎ去り、一般市民の財布の口は再び固く閉じられたが、ハイテク業界では相変わらず企業買収のウワサが飛び交っている……。

 最近、吾輩の耳に入ってきた情報によると、BMCがID管理ソフトベンダのビジネス・レイヤーズの買収を検討している模様だ。この会社は、ビジネスに影響するネットワークやシステム、アプリケーションの故障、性能低下を監視する製品を開発しているという。

 BMCでは以前からそうしたサービス機能を求めており、同様の製品を提供するマネージド・オブジェクツの買収に動いたこともある。ただ、情報筋によると、マネージド・オブジェクツは買収されるのを望まなかった。ひょっとすると、BMCが申し入れた買い値に不満だったのかもしれないね。

 公開市場で売買されるソフト会社の数は、バブル期のピークだった400社から最近は100社程度にまで落ち込んだ。それでもこの業界の友人たちのほとんどは、企業買収のウワサ話の1つや2つは知っているね。なかでも潤沢な資金量を誇るIBMやBMC、EMC、ベリタス、マーキュリー・インタラクティブ、マイクロソフトなどのビッグネームは、業界関係者のウラ情報には必ず登場する。

 ところが、ひときわ貪欲な買収の歴史を持つコンピュータ・アソシエイツ(CA)だけが、どういうわけか最近、この手の話題から遠ざかっているのだ。なぜだろうと不思議に思っていたら、先日の決算発表でCAのトップ、サンジェイ・クマーは、「われわれは当面、有機的な成長に注力する」と述べたそうだ。ただし、積極的に企業買収に向かわないものの、意味のある合併、自社製品を補完できる技術、統合化が容易なケースなど、チャンスがあればいつでも動くとしている。

 業界の事情通によると、管理ソフト市場でも統合再編の動きが活発化しつつあり、なんでもコンピューウェアが買収のターゲットとして浮上しているらしい。ただ、そのウワサが事実だとしても、ビッグ4(IBMのチボリ部門、BMC、CA、ヒューレット・パッカード)が動くことはないだろう。

 マイクロソフトとネットIQの提携関係では、ソフトベンダ側(マイクロソフト)よりシステム管理会社側(ネットIQ)の方が得る利益は大きい、との声がもっぱらだ。ネットIQは「MOM(Microsoft Operations Manager)」に基盤技術を提供するが、おそらくMOMより自社製品(AppManager)の販売のほうが伸びるだろう、と吾輩の知人も言う。ネットIQはまた、双方に利益をもたらすこの提携関係を享受しながら、一方でセキュリティ関連製品の充実を図るべく、買収戦略に乗り出す構えを見せている。

 じつは吾輩、かなり信憑(ぴょう)性の高い企業買収のウワサ話を入手した。残念ながらまだ公にはできないが、今度どこかの展示会で吾輩を見かけたら、こっそり声をかけてくれたまえ。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Katt Scratches the Acquisition Fever

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