[コラム:Spencer F. Katt]
Linux信奉者たちが怒ったSCOの提訴

2003/3/25


 OS/2とMac OSの支持者たちは、昔から狂信的なことでよく知られる。特にプラットフォームの存亡をかけた議論には、激しい勢いで立ち向かう。でも、この2つのグループは、怒り狂ったLinux族と比べれば、まだはるかにかわいげがある。

 聞いたところによると、SCOグループは最近、IBMがSCO UNIXの企業秘密と各種技術を不正利用したとして、同社を相手取って10億ドルの損害賠償を求める裁判を起こして以来、Linuxユーザーから怨嗟(えんさ)の声が集中しているそうだ。

 ある情報筋が吾輩に話してくれたところでは、UnitedLinuxコンソーシアムのメンバーで、SCOと提携するLinuxベンダ各社のもとに、オープンソース・コミュニティのユーザーやパートナーから、ただちにSCOとのあらゆる関係を絶つよう脅迫する電子メールや電話が殺到しているとか。その情報筋は、UnitedLinuxパートナー企業のエグゼクティブなのだけど、彼が言うには、Linuxやオープンソース系の人々の多くは、SCOの提訴を背信行為とみているようだ。しかし、ねぇ、SCOが訴えたのはIBMであって、Linuxコミュニティじゃないんだが……。

 筋違いの怒りに燃えたコミュニティの人々は、「SCOの製品はもう金輪際使わず、推奨もしないと固く誓ったらしい。しかもSCOとの関係を絶たなければ、UnitedLinuxパートナーの製品もボイコットすると脅している」(情報筋)そうだ。彼によると、早くもUnitedLinux技術パートナーのSuSEがSCOとの関係見直しに動いており、ほかのメンバーも対策を協議中だという。

 ライバルのマンモス企業を提訴し、同時にビジネスパートナーを切り離す――なかなか優れたゲームプランだな……。

 ところでネットワーク・アソシエイツ(NA)は、RSAカンファレンスへの出展を再び取りやめることを決定した。RSAコンファレンスというのは、暗号愛好家たちが年に1回、サンフランシスコで開催するフェスティバルだ。NAはリストラ計画の真っ最中であり、出展コストを捻り出せなかったようだ。

 先週、ニューヨークで「Centrino」を発表したインテルは、同プロセッサを搭載したノートブックのユーザーをライブで登場させ、さまざまなシチュエーションを演出しながら、盛んに新技術をアピールしていた。

 で、笑わせてくれたのは、リモートテスターの1人として登場したマクドナルドのエグゼクティブだ。彼は、最近Wi-Fi対応したニューヨークの店舗で、Centrinoベースのデバイスを紹介しようとしていた。別の店に待機した同僚2人とそのデバイスで会議をやるというのだ。彼が会議をスタートさせると、マンハッタンセンターのビッグスクリーンにそのデモ画面が大きく映し出された。

 そしてその画面は、だれが見ても明らかに接続に失敗したことを示していた。ところが、だ。くだんのエグゼクティブはなに食わぬ顔で、あたかもオンラインであるかのように振る舞い、2人の同僚と会議を続けたのだ。ともあれ、その光景は微笑ましいものではあった。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
SCO's Suit Against IBM Sends Faithful Into Tizzy

Copyright(c) eWEEK USA 2002, All rights reserved.

Spencer F. Katt バックナンバー

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)