[コラム:Spencer F. Katt]
賭けるならアンティグアのカジノへ

2003/4/8


 多くのアメリカ人にとってカリブの夢といえば、長い砂浜と暖かいそよ風だが、中にはカジノの長いテーブルと冷たいドリンクって輩もいる。もちろん、吾輩は後者のほうである。だから米議会が最近、オンライン・ギャンブルの禁止に向けた動きを見せていると聞いて、思わず身を乗り出した。

 米議会の動きは、カリブ海の島国アンティグアにとっても大きな衝撃だった。というのも、同国は100を超えるオンライン・ギャンブル・サイトに営業許可を与えているからだ。もしジュネーブで2003年4月7日までに米国とアンティグアの2国間合意が成立しなければ、この島国は世界貿易機構(WTO)に提訴する構えを見せている。

 ギャンブルといえば、どう転んでもハウス(胴元)側が勝つと相場は決まっているのに、アレグロ・ネットワークスのCEOデイブ・ハウスのギャンブルは失敗に終わってしまった。マルチルータの新興企業である同社は、競争の激しいテレコム市場で3年にわたって苦戦を続けてきたけど、その努力は報われず、とうとう十分な利益を生み出せずに敗退を余儀なくされた。

 ワールドコムのスキャンダルがアレグロを直撃したことは間違いない。同社が開発したマルチルータ技術は、主に大手通信業者のネットワーク端末向けのものだったからだ。

 ハウスはインテルの神童と呼ばれ、ベイ・ネットワークスに移ったあと合併によってノーテルの社長に就任し、2000年にアレグロにCEOとしてリクルートされた。吾輩が聞いたところによると、アレグロが破綻する前、ハウスは休暇を取ってカリフォルニアのマウント・ホイットニーに登ったり、レースカーであちこちドライブしていたそうだ。

 ところで、スリーコムがフアウェイ・テクノロジーズと合弁会社を設立するという発表には笑ったね。この会社は、シスコがリバース・エンジニアリングで同社の知的所有権を侵害し、アジア市場でインターネットワーク・オペレーティング・システム(IOS)の安価なコピーを販売しているとして提訴した中国企業だ。

 シスコはまた、この中国最大の通信機器メーカーが、同社の主力製品であるスイッチやルータの模造品を販売したことについても非難している。関係者の話によると、疑惑が指摘されているフアウェイの製品とシスコの製品は非常によく似ており、まったく同じバグまで含まれているらしい……。

 スリーコムは合弁会社の49パーセントを所有し、数年以内に出資比率を51パーセントに引き上げるオプションを持っているという。

 ところでスリーコムに関しては、もう1つウワサを耳にした。どうやらファウンドリーネットワークスかエクストリーム ネットワークス、あるいはフォーステン・ネットワークスあたりの買収を検討しているというのだ。まぁ、吾輩が賭けるとしたら、フォース・テン・ネットワークスあたりが最も可能性が高いと思うね。ファンドリーとエクストリームについては、フォレスター・リサーチが最近、新興企業にありがちな思い上がりに注意すべきだと指摘している。フアウェイみたいにならないように、ってことだな。

 いずれにしても、テレコム業界よりアンティグアのカジノに投資した方が、どちらかといえばギャンブル性は低いかもしれない。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Spencer Places His Money on Antigua

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