[コラム:Spencer F. Katt]
サハフ元情報相にアウトソースしてみる?

2003/4/22


 こんな駄文を読んでないで、とっとと仕事に戻った方がいいんじゃないの? いやいや、貴兄のことではなくて、隣のIT部門のお友だちに言っているんだけどね……。

 というのも、吾輩は最近、ボストンで開催されたアウトソーシング関連のイベント「Mass eComm Leadership Roundtable」で、いくつか暗い予言を耳にしたからだ。EMCのCIO、デイブ・エラードによると、米国のIT労働者は海外へのアウトソーシングによって職を失うのではなく、もっとほかの興味深い仕事へと”シフト”していくらしい。その慈悲深い過程において、企業は人件費を圧縮するのだとか。

 吾輩の友人の1人が、質疑応答でエラードに質問した。果たして、退屈な仕事がなくなったら、彼らに次はどのようなタイプの仕事が待っているのか?

 エラードは一瞬たじろぎ、「さあ、どうかな。正確なデータを持っていないので……」と応じた後、こう主張した。「いずれにせよ、机の前で失業におびえるより、外に出て積極的に新しいスキルを身につけるべきだろう」

 それを聞いて、平等主義者である吾輩は、隣に座っている友人に話しかけた。「おいおい、EMCの従業員は感謝の気持ちを込めて、そろそろミスター・エラードをアウトソースするためのカンパを始めるべきじゃないか……」

 プレスルームに戻ると、ミシガン州アン・アーバーにあるCMSテクノロジーズ(従業員8名)という会社が、シスコを相手取って訴訟を起こしたというメモが机の上に置かれていた。CMSはIEEEメンバーと共同で、同社が特許を持つツイストペア銅配線上で100MbpsのFDDI信号を伝送する技術をベースに標準を実装した会社だ。CMSによると、この技術はIEEE 802.3af(Power over Ethernet)の標準化に用いられているという。

 ところがシスコは、CMSの特許が効力を発揮する1年も前に、この技術の公開デモンストレーションが行われていたと主張、同社のライセンスを認めないと言い出したのだ。CMSは法廷で自社の正当性を訴えることにしたという。

 それはそうと、シーベル・システムズはいま、顧客満足度の問題で非常に厳しい状況にある。同社の顧客が満足していないことを示す内部文書を金融機関のトレーダーがリークしたのだ。それに対して、同社はWebカンファレンスを開き、反論した。

 内部文書は、シーベル・ユーザーの不満を8ページにわたって分析したサトメトリクス社のレポートだった。シーベルの担当者はレポートの都合の悪い部分を手早くパラパラとめくった後、同社のユーザーがいかに満足しているかを示す奇妙なグラフィックスのスライドを30枚以上も提示した。

 吾輩はため息をついた。おそらくシーベルはPR部門をアウトソースすべきだろうな。聞くところによると、イラクのサハフ元情報相は失業中だっていうじゃないか。強弁するなら、彼を使わない手はないと思うけどね。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
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