[コラム:Spencer F. Katt]
セグウェイを目指すマイクロソフト
2003/5/20
ラスベガスのマンダレー・ホテルの人工ビーチで、波に揺られながらピニャコラーダを飲んでいると、すっかりいい気分になってしまった。先週、N+Iの取材でハードロック・ホテルに滞在していた吾輩は、今週、再びラスベガスへ舞い戻った。
実は、吾輩をいい気分にさせてくれたのは、ラスベガスの暖かい太陽だけではなかった。Googleのページランキングで、最も人気のあるITコラムニストの第2位に、Spencer F. Kattがランクインしたのだ!
が、夢見心地の吾輩を現実に引き戻したのは、ソプラノの叫び声だった。どうやら、移動クラップゲームのテーブルをもう少しで水浸しにしてしまうところだったらしい。まぁ、しかし、なんだな、ウォルター・モスバーグ(訳注:ウォールストリート・ジャーナルのパーソナル・テクノロジ・コラムニスト)がSPEEDOのスイムウェアでホテルのプールにいても、吾輩ほどセクシーには見えないだろうけどね。
プールから上がってタオルで体をふいたあと、吾輩は「ピープルソフト・リーダーシップ・サミット」を取材するため、パリス・ホテルへと向かった。その夜、ジェイ・レノのトークショーもあったけど、ピープルソフトのCEO、クレイグ・コンウェイは、少なくともスタンドアップ・コメディアンよりは立派に見えた。というのも、ある証券アナリストが「(CRMソフトからサービスへ比重を移したピープルソフトを批判している)シーベルのCEO、トム・シーベルは最近、CRMを成長産業と言っているが」と指摘すると、すぐさまこう反論したのだ。「そりゃ、四半期に1株あたり1セントもうけさせてくれりゃ、誰だって成長産業だと思うだろう」。
ゆっくりはしていられない。次は「WinHEC」だ。リーダーシップ・サミットの会場を抜け出した吾輩は、アコーディオンで調子っぱずれの『ラ・ビアン・ローズ』を演奏していたパリジャン風の男を突き飛ばし、慇懃無礼(いんぎんぶれい)に「パルドン・ムッシュ!」とわびた後、ニューオリンズ行きの飛行機に飛び乗った。
南部の町では、マイクロソフトの連中がバーボンストリート・バスドラムをたたきながら、アップル・ライクな新開発の通信機能搭載PC「Athens」を宣伝していた。でも、出席者がたたいていたのは陰口だった。みんな口々に「なんだよ、Xboxに発信者番号通知機能をつけただけじゃないのか」とささやきあっていたね。もちろんLinuxファンなら、簡単にハッキングできるXboxは標準で対応できるように設計されていないし、ほかのオペレーティングシステムの実行をブロックする機能もないよ、と指摘しただろうけど。
それにしても、Athensへの安全なユーザー・アクセスを保証する指紋スキャナって、マイクロソフト/HPのジョイントベンチャーより、ホームランド・セキュリティのトム・リッジが先に思いついたアイデアだよね。まぁ、そのうちマシンをブートする前に、DNAのサンプルを要求される時代が来るだろう。それまでに猫ゲノムの解読が進んでいるかどうかは知らないけど……。
ところでマイクロソフトは、あの4950ドルの歩行代行マシン「セグウェイ」を発明したデーン・カーメンを基調講演に招いていた。ふむ。そういえば、Windowsクライアント部門を統括する上級副社長のウィル・プールは、「われわれは消費者を高価な新製品の購入に駆り立てる”圧倒的な”新技術を打ち出す必要がある」と話していたな。つまり、人々に必要のないものを売りつけようってわけだ。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
No. 2 and Lookin'
Good
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