［コラム：Spencer F. Katt］
ハイテク業界からコメディアンまたは政治家へ
2003/6/24
 
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今年の「JavaOne」カンファレンスに出席するためサンフランシスコのホテル・ニッコー・サンフランシスコにチェックインした吾輩は、2時間の公演を終えた直後のソウルのゴッドファーザー、ジェームス・ブラウンみたいに汗だくでロビーを駆け抜ける人物に遭遇し、面食らった。が、よく見ると、それはTシャツにショートパンツ姿のJavaのゴッドファーザー、ジェームズ・ゴスリングだった。
きっとサンのエグゼクティブたちの多くは、シリコンバレーから通勤するのが面倒なものだから、イベントがあるときはみんなサンフランシスコのホテルに部屋を確保するのだろう。モバイルJavaならぬ、モバイル・ゴスリングってなわけだ。
サンが用意した無料サービスのカフェ・バーでコーヒーをガブ飲みしながらも、マイクロソフトのダラスの「Tech Ed」では巨大なジャンクフード・ビュッフェがあったのに、と吾輩は不満だった。ぜいたくは言わないから、フリトスとアイスクリーム、それとカップケーキくらいは用意してもらいたかったな。去年のJavaOneでは、ラリー・エリソンの計らいで、スナックが買える無料のデビット・カードが参加者に配られた。今年はラリーもいろいろあって、無駄遣いできないみたいだね……。
カフェイン中毒気味の吾輩に、ある情報屋が耳打ちしてくれたところによると、ピープルソフトに対するオラクルの敵対的TOB（株式公開買い付け）に、シーベル・システムズが正式に反対を表明したそうだ。ピープルソフトのクライアントの顧客満足度と投資回収率を悪化させる、というのがその理由だという。
その情報屋によると、少し前までシーベルの従業員たちは、TOBのニュースに毎日浮かれまくっていたらしい。というのも、CRM市場における同社の独占的地位を脅かすのは、オラクルよりもピープルソフトだと見ていたからだ。ところが先日、シーベルのCEO、トム・シーベルがCNBCテレビの経済番組に出演し、2001年度と2002年度の売上高について吹きまくっているのを見て、彼らは慌てふためいた。シーベルの口から飛び出した数字が、バリー・ボンズの打率よりも高かったからだ。翌日、同社はその数字を281（百万ドル）に下方修正するプレスリリースを速攻で流した。
それはさておき、吾輩はサンフランシスコの夜を久しぶりにジョニー・フォーリーズ・アイリッシュハウスで過ごした。そこは”ニコル・ザ・ヒューマン・ジュークボックス”が1960年代のフォークソングを歌ってくれる店だ。プレイリストに『パフ・ザ・マジック・ドラゴン』注1がないことを祈りながら飲んでいると、ある友人が「巷のウワサでは、今後6カ月ないし1年以内に、シスコがWi-Max（802.11g無線ブロードバンド）市場へ本格参入する見込みだ」と教えてくれた。
JavaOneカンファレンスの2日目は、コメディアンで元電子エンジニアのドン・マクミランが登場した。彼の定義によると、PalmPilotは「思春期の少年が絶対に付けられたくないニックネームの1つ」だそうで、それにはオタク系の人々も大爆笑だった注2。
マクミランの話術に腹を抱えているとき、知り合いの1人から、インターネット・セキュリティ・システムズのCEO トム・ヌーナンがジョージア州の上院議員選挙に立候補するかもしれないという話を聞いた。また彼によると、シマンテックのCEOで米情報基盤諮問委員会のメンバーであるジョン・トンプソンは現在、ブッシュ政権のポリティカル・アポイントメント（政治任命）の順番待ちだそうだ。
ハイテク業界からコメディアンになるのも、政治家になるのも、まぁ、同じようなものかな？
（編集局注）
（注1）1960年代に爆発的なヒットを記録したPPM（ピーター・ポール・アンド・マリー）の歌う名曲『パフ・ザ・マジック・ドラゴン』のこと。デ・ニーロ、ベン・スティラー共演の『ミート・ザ・ペアレンツ』に曲の解釈を巡るやりとりが出てくる。果たしてこの歌は、『パフ』という名の竜の歌なのか、ドラッグソング（『puff』は『吸う』という意味で、『マジック・ドラゴン』というのはマリファナなどのドラッグを指す）なのか？
（注2）スタイラスペンと関係があるのでは？ との解釈が編集局では有力。
＊Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日（月曜日休日の場合は火曜日）の更新予定です
［英文記事］
Jump, Jive and
Java
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