[コラム:Spencer F. Katt]
消えゆくロータス由来の製品名

2003/7/15


 ビッグアップル(ニューヨーク)で開催されたベンダ・ミーティングに出席した後、セントラルパークのしゃれたレストラン「タバーン・オン・ザ・グリーン」のテーブルに落ち着くと、吾輩は先週、第9控訴裁判所が下した「Webサイトで公開する情報にはいかなる誹謗(ひぼう)中傷も加えてはならない」という命令について考えざるを得なかった。確かにやりすぎるのは問題かもしれないけど、ちょっと気に入らないやつをけなすくらいなら、言論の自由ってわけにはいかないのかね?

 テーブルで腹を空かせていると、やたら気取ったウエーターが注文した料理をドンと置いて足早に立ち去った。あまりにも無礼な振る舞いにショックを受けた吾輩は、空腹であることも忘れ、ただぼうぜんと彼の背中を見送るばかりだった。まるでエルビスの食事のような山盛りのカナディアン・ベーコンが、こんな風に横柄な態度で給仕されるとは想像もしなかった。なんてやつだ……。

 それはさておき、そこで仕入れた情報屋の話によると、オタワに本社を置くコグノスのCEO、ロン・ザンボニーニは、もし新製品「ReportNet」の第3四半期の売り上げが1000万ドルに達しなかったら、第4四半期の収益を裸で発表すると約束したらしい。キルトスカートがまったく似合いそうにないスコットランド出身のザンボニーニは、もしかしたら製品の売り上げを伸ばす完璧な方法を見つけたのかもしれない。

 さて、ウエーターに再三無視された吾輩は、こんなことならチリーズの方へ行けばよかった、と後悔しはじめた。ついてないことに、『アラモ』のDVDがラップトップの中でジャムってしまったことも、無念さに拍車をかけた。

 そんなとき別の情報屋から、IBMが最近、「Sametime」という製品名をお蔵入りさせ、「Lotus Web Conferencing」と「Lotus Instant Messaging」という長ったらしい名称に切り替えた、という話を聞いた。ビッグブルー自身は今回の変更について、「シンプルで説明的なわかりやすい名称にすることで、製品認知度を高めるのが狙い」としているそうだ。また、あまり目立たないチーム・コラボレーション製品「Quickplace」は、比較的憶えやすい名前「Team Workplace」に変更されたという。

 一方、「Notes」と「Domino」については、いまのところ変更の予定はないらしい。が、同社ではいずれロータス由来の名称は徐々に変更していく方針のようだ。

 そういえばマイクロソフトの「Pocket PC」も、「Windows Mobile 2003 Software for Pocket PC」というブランドに変更されたけど、見やすい大きさのフォントを使うと、Pocket PCの画面にそんな長い名前、表示しきれないんじゃないの?

 ある友人から吾輩のもとに届いたメールによると、HPがBEAシステムズを買収するのではないかというウワサが再びヒートアップしているという。確かにHPとBEAは、Javaアプリケーション「WebLogic」の販売で強い提携関係にあるからね。その可能性は十分にあるな。

 それにしても、この店のメニューにはファヒータ(fajitas:ソフトタコス)がないじゃないか。まったくもって、なんてひどいレストランだ……。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
stupid product name tricks

Copyright(c) eWEEK USA 2002, All rights reserved.

Spencer F. Katt バックナンバー

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)