[コラム:Spencer F. Katt]
今度はSCOとLinuxユーザー企業のバトル?
2003/8/26
ようやく自宅に戻ってきた。と思ったら、吾輩の地元ボストンでは、州知事の椅子をめぐって政治スキャンダルの嵐が吹き荒れていた。そんな中、吾輩は市内で開催中の展示会「XML Web Services One」に足を運び、ハイテク業界のヘッドハンティングの激しさをあらためて認識した。
基調講演に立ったマイクロソフトの主導的アーキテクトであるドン・ボックスは、講演の途中で会場にジミアンのCTOミゲル・デ・イカーサの姿を発見すると、こう叫んだ。「ミゲル、ちょっとしたエンプロイメント・アプリケーションを手に入れたぜ。君のケツはもう僕のものだ!」
マイクロソフトはXMLとWebサービスに関して、業界の人材を根こそぎ取り込もうと躍起になっている。しかし、吾輩思うに、ボックスは21世紀版の「The Art of the Deal」(業界で成功するための指南書)でも書くべきだろうな。
それにしてもトレンディーなシーフードレストラン「ハブ」は、相変わらずの混みようだった。吾輩は何人かの知り合いとテーブルを囲み、大声でおしゃべりしながらビザーズ・ベイ・エールを飲み干した。すると、一緒にいた情報屋の1人が、BMC社内でささやかれているウワサ話というのを教えてくれた。それは、「デルがBMCを買収するかもしれない」というものだった。
さっそくデルのスポークスウーマンに問い合わせてみると、彼女は笑いながら、「ほんと? 私はEMCがあの会社を買収するって聞いたわよ」とはぐらかし、すぐにこう付け加えた。「申しわけないけど、デルはウワサや憶測にはコメントしないことになってるの」。しかし、デルがモニタリング・ツールを必要としているのであれば、BMCはレメディを持っているからねぇ……。
それはさておき、ある情報筋から6月30日のコラムに関することで電話があった。ガートナーが最近発表したレポートの中で、侵入検出システム(IDS)ビジネスの死亡宣告をしたことで、セキュリティベンダたちが激怒しているという話。情報筋によると、ワシントンD.C.にも吾輩のコラムの読者がいるようで、数週間前、ペンタゴンの係官がガートナーのアナリスト、リチャード・ステノンのもとを訪ね、なぜIDSは死んだと考えるのか説明を求めたらしい。
面白いことに、米国防総省はそのミーティングにIDSベンダの有力者とセキュリティの専門家を招待したそうだ。ネオハプシスのCTO、グレッグ・シプリーを含むベンダ側の代表者たちは、ガートナーのアナリストが600Mbpsより高速なIDSベンダ製品はない、と主張していることにクレームをつけた模様。シプリーは、彼のラボのテストでも、ほとんどの製品が750Mbps以上で動作した、と反論したそうだ。ステノンは、レポートの調査にガートナーの顧客の協力を得たことや、顧客にIDSの評価を聞いたことなどを説明したが、来客を説得するまでには至らなかった。
それはさておき、レッドソックスのチケットが高騰して、とてもじゃないけど買えないので、吾輩はフェンウェイ・パーク近くの酒場でゲームを観戦しながら、パラリーガル(弁護士アシスタント)の友人に最近のLinuxをめぐる状況について聞いた。その有能な若い法律家によると、大手のLinuxユーザー企業2社が、SCOの裁判が決着する前に、同社が不正に利益を得ようとしているとして訴訟を起こすことを検討しているらしい。ただし、あと4社ほど賛同する企業が必要だとか。弁護士たちにしてみたら、まさにドリームズ・カム・トゥルーかも……。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
The long lost
art of recruitment.
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