[コラム:Spencer F. Katt]
ラリー・エリソンと「キル・ビル」

2003/10/21


 最近、編集部からとんでもない強行軍を命じられた吾輩は、ロンドンとフィラデルフィアで同日開催された「1985年ライブエイド・コンサート」に出演するためにコンコルドで大西洋を横断したフィル・コリンズも、きっとこんな気分だったに違いない、と思ったね。

 まず吾輩は、マイクロソフトの「ワールドワイド・パートナー・カンファレンス」を取材するべく、ビッグ・イージー(ニューオリンズ)へ飛んだ。幸運なことに吾輩はホテルに1人部屋を確保することができたが、レドモンドの従業員たちはみんな相部屋になったことに不満タラタラだった。もしかすると、ビルとスティーブも一緒の部屋だったりして……。

 次の日、午前7時半から始まった基調講演に5時間も居座り続けた後で、吾輩は警備員からプレス・パスの提示を求められた。「まさかイベント登録はSmall Business Server 2003でやってないですよね?」と話しかけても、相手には全然通じなかったので、それ以上のユーモアを考える気が失せた。

 いずれにせよ、吾輩はその直後に退屈なマラソン・キーノート会場を飛び出し、「シーベル・ユーザー・ウィーク」のイブニング・エンターテイメントに間に合うようサンディエゴへ急いだ。ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニューズが出演すると聞いていたからだ。このバンド、最近アナハイムで開催された「ピープルソフト・コネクト」にも出演していたけどね。主催者側が“ワールド・ビート・ナイト”と銘打ったショーを、どんな風にやってくれるか楽しみだった。それにしても、彼らの『Bad Is Bad』は予想以上にインパクトのある曲だな。

 キーノート・セッションで紹介されたシーベルの新「Analytics」プラットフォームを利用したユーザー・デモは、それはそれで面白かった。ノバ・エレクトロニクスというオーストラリアの家電量販店の担当者3人が登場し、小売チャネルを管理するためにシーベルのソフトをどのように利用しているか詳しく解説してくれた。ところが、実はノバ・エレクトロニクスは架空の企業であり、3人のオーストラリア人も本当はシーベルの従業員なのだ。そのことを同社は最後まで明らかにしなかった。吾輩は彼らがアメリカ人と話しているとき、オージー訛りがまったくなかったので、すぐニセモノだと気がついたけど、だまされちゃった人も多かったと思うね。

 セールスフォース・ドットコムは以前、“Down with Software”のプラカードを掲げた抗議団体とともに、シーベルのイベントをつぶしにかかったことがある。そのため吾輩は今回、コンベンションセンターに“Salesforce.com:Success,not Siebel”という横断幕だけしか見当たらなかったことに、ちょっと当惑した。ダライ・ラマ関連の大失態が、ベニオフ一家になんらかの悟りを開かせたのかもしれない(「犯罪と訴訟とダイエット」参照)。

 カリフォルニア州の人々がシュワルツェネッガー新知事のリーダーシップの真実を手探りしているころ、隠れたサムライ、ラリー・エリソンがクエンティン・タランティーノ監督最新作のプレミア試写会に顔を出したという情報を聞いて、吾輩はさもありなんと頷いたのであった。たしか映画のタイトルは……、「ビルを殺せ(Kill Bill)」だっけ?

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Microsoft pampers pardners; Siebel schmoozes users.

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