[コラム:Spencer F. Katt]
フィオリーナも星に願いを

2003/11/5


 先日、吾輩はミッキー・マウスの家に招待された。といっても、ウォルト・ディズニー・ワールドで開催された「Gartner Symposium/ ITxpo」に参加するためだが……。

 ガートナーはシンポジウムで、6000人の出席者に対し、来年度のIT投資も堅調に推移するとの見通しを示した。マジック・クアドラント、じゃなかった、マジック・キングダムならではの、きわめて楽天的なメッセージではあった。いずれにしても、ミッキーのテーマパークにコスト削減といった無粋な言葉は似合わないし、ドナルドやグーフィーの仕事がアウトソーシングされることもないだろう。

 しかし、ガートナーはクライアントをどれくらい大事にしているんだろう? 吾輩の友人の話では、ガートナーの社内で営業成績に関する話題が出たときや見込み客のところへ出向くときは、「くさい息でも、息をしていないよりはマシ」という言葉がよく聞かれるそうだ。おいおい……。

 それはさておき、基調講演に立ったマイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマーのスピーチが吾輩の好奇心をちょっと刺激してくれた。それによると、同社はまもなく無名のソフトウェア会社を買収するそうだ。なんでもその会社は、Webサービス用のXML管理技術をレドモンドにもたらしてくれるという。「乞うご期待」と、バルマーは思わせぶりに締めくくった。

 一方、HPの会長兼CEO、カーリー・フィオリーナはビッグブルーを怒らせた。彼女は基調講演で、プライスウォーターハウスクーパースの買収を8回も拒否したと述べた。その中には、IBMが同社の買収に35億ドルを提示する1週間前、30億ドルで買収交渉したことも含まれるというのだ。翌朝、あるIBMの役員は不機嫌な顔をして、フィオリーナの話は「今週のピノキオ・ストーリーだね」とこき下ろした。そういえば、「Forbes」2002年7月号で、IBMがHPの提示した金額の4分の1の価格でPwCを買収した、と報じていたことを吾輩は思い出した。

 シンポジウムのプレスルームには、天井に壊れた配水管が通っていた。そこから記者連中の上に水が降り注いだたときは、まるでスプラッシュ・マウンテンのようだったね。乾いた場所を求めて逃げ惑う被災者たちを横目に、吾輩はシューラ(マイアミ・ドルフィンズの元コーチ)のステーキハウスへ向かった。どこのって、もちろん「ザ・ドルフィン」のに決まっている。

 ステーキハウスでコンピュータ・アソシエイツの関係者と落ち合った。フットボールの話はさておき、彼は、CFOのアイラ・ザーが“経理の不正行為”にからんで同社の経理・財務部門の従業員を片っ端からクビにしていることを嘆き、今後もっと多くの仲間が同社を追われるのではないか、とナーバスになっていた。

 その夜、ホテルに戻ると、本好きの友だちから電話があった。メラニー・クラフトの新作が来年5月に発刊される予定だという。彼が著者のWebサイトにアクセスしてみたところ、新作は「Man Trouble」というタイトルで、内容は大金持ちのプレイボーイを家庭的な男性に生まれ変わらせるロマンスであるらしいことが分かった。しかし、そんなキャラクターをどこで見つけたんだか、彼女の実際のフィアンセに聞いてみたいね。オラクルのラリー・エリソンだけど。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Kinder Gartner

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