[コラム:Spencer F. Katt]
パステルカラーに女性ギャンブラーは燃える?
2003/11/26
エンゲルベルト・フンパーディンクのCDでレトロに盛り上がった吾輩は、マテウスのボトルをチビチビやりながら、携帯パッドでいつものように電子メールをチェックした。
ある情報屋からのメールによると、セールスフォース・ドットコムのCEO、マーク・ベニオフは最近、そのキャラクターに似合わず、同社の野心的なIPOの方針について沈黙を守っているという。情報屋が複数の筋から聞いたところでは、このCRMプロバイダは第1四半期に株式を公開する計画で、IPOの主幹事もモルガン・スタンレーに決まったようだ。計画通りに事が運べば、セールスフォース・ドットコムの時価総額は10億ドル程度になるらしい。その金額に驚き、吾輩は思わずフォンデュー・ポットの中に一切れの肉を取り落としてしまった。
肉片を回収しようとポットの中をかき回していると、世の中にはことほどさように、簡単に失われるものが多いことに気づいた。もっとも、ノキアの携帯電話ゲーム機「N-Gage」の場合は、盗まれたのだけど……。実際、ハッカーたちは最近、ゲームに利用されている暗号技術をクラックしたとオンラインでしきりに自慢し合っている。ノキアは、Symbian OSが稼動する電話機やハンドヘルドで実行可能なゲームの海賊版を根絶するために、大至急対策を講じなければならない。
突然鳴った電話に出ようと部屋を横切る途中、吾輩はマクラメ編みの鉢植ホルダーに思いっきり頭をぶつけた。電話は友人からだった。彼がいうには、EMCは先月のドキュメンタム買収で、ストレージ市場のライバル、IBMに一発食らわしたのだそうだ。というのも、IBMのアーモンク本社の関係者によると、ビッグ・ブルーもどうやらドキュメンタムの買収に乗り出していたらしい。
ちなみに現在、オープン・テキストとファイルネットの両社も、ストレージとエンタープライズ・コンテンツ管理の統合化による汎用的なデータ管理環境の実現を目指して、買収のターゲットになっている。ファイルネットの会長兼CEOのリー・ロバーツは、同社がどこかと買収交渉を行っているというウワサについては公式に否定したが、EMCがドキュメンタムに提示した買収額については「かなり魅力的」であることを認めており、こうした好条件のオファーにはオープンな姿勢であることをにおわせた。なんだか昔付き合ったことのある女みたいだな……。
女性との付き合いもギャンブルみたいなものだけど、北米最大のカジノ運営会社であるハラス・エンターテイメントは、オンライン・ギャンブルの新しい市場開拓に向け、“女性”にチップを置こうとしている。インターネットを利用したギャンブルは法規制も厳しくなってきているが、ハラスでは女性にターゲットを絞った「ラッキー・ミー」という登録ギャンブルサイトを開設する考えだ。ラスベガスのようなギラギラしたストリップ・ルックではなく、女性好みの淡いパステルカラーを多用し、月額の上限が決められたプリペイド型のゲームサイトになるという。
現行の規制を巧妙にかいくぐろうって魂胆だな。でも、悪趣味なカジノの装飾こそ、ギャンブラーの射幸心(しゃこうしん)に火をつける最大の心理的要因じゃないのかね。壁に古いブラックライトの十二宮図を貼り付けながら、吾輩は思った。まぁ、蓼(たで)食う虫も好きずきということで……。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
Lucky '70s
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