[コラム:Spencer
F. Katt]
シーベル・アクション
2004/10/19
ロサンジェルス・コンベンションセンターの南館で開催された「Siebel User Week」で、吾輩は貧乏出版社のしみったれた交通接待費の規定を打破する素敵なチャンスに遭遇した。自社ブースの前で、安っぽいキャンバス地の財布に1ドル札から最高20ドル札の紙幣を入れ、来場者に配布していたのだ。しかし、なんだな、ちょっと前までブースの客寄せといえば、セクシーなコンパニオン・ギャルというのが定番だったんだけど……。
イベント会場にトム・シーベルの姿は見当たらなかった。明らかに目立たないようにしていたようだ。というのも、最近、シーベルがあまりにもIBMグローバル・サービスに偏(かたよ)りすぎるとして、同社と取引関係のある中小パートナー各社が不満を募らせているからだ。
聞くところによると、シーベルはセールスフォース・ドットコムを出し抜いて、シスコのホスト型セールスフォース・オートメーション・ビジネスを勝ち取ったらしい。どうやら同社では、「CRM OnDemand」サービスをエンタープライズ営業部隊でも販売するように方針転換したもようだ。従来はSMB営業部隊だけが販売していた。
シーベルのイベント会場を出た吾輩は、つぎに「TechXNY」を取材するため、急いで東海岸へ向かった。そのジャビッツセンターの会場で、最も目立っていたのがジョニー・ウォーカーだった。このウイスキーメーカーは、会場でアルコール飲料のプロモーションを展開していたのだ。確かに、会場内で一番大きな電飾サインがルーマニアや中国、フィリピンのアウトソーシング会社のものだと気づけば、誰だって一杯やりたい気分になっただろうね。
吾輩がひとときの幸せをスコットランドにアウトソースしているとき、コンピュータ・アソシエイツの暫定CEOケン・クロンは、テレプロンプタでアラモ砦のようなバリケードを築き、孤立無援の基調講演を行っていた。追い詰められたクロンは、スピーチの中でCAの会計スキャンダルには一切触れず、ただただオンデマンド・コンピューティングの利点を強調するばかりだった。やれやれ。
基調講演が終わったあと、吾輩は来場者の何人かと情報交換することができた。彼らの話によると、つい最近、CAのビジネス開発担当上級副社長、トミー・ベネットが退職手当をもらって静かに同社を去ったそうだ。その辞職が自己都合によるものなのか、それともサンジェイ派の追放劇の一環なのか、それぞれの見解は分かれた。
マイクロソフトとHPが全米を回って中小企業向けのエンド・ツー・エンド・ソリューションをデモするために共同開発した最新機器満載の大型トラック、“Microsoft Across America”をチェックしたあと、吾輩もまた夕暮れの街へ放浪の旅に出かけることにした。
その夜、マンハッタンのイタリアン・レストラン「マッド28」で会った友人の話によると、マイクロソフトは先ごろ、ビヨンセやトライアンフ・ザ・インサルト・コミック・ドッグ(人気テレビ番組の毒舌パペット犬)などとウィットを競うことができるオンライン・トリビア・ゲームの特許権(米国特許6,800,031)を取得したそうだ。おお、誰かあの生意気な犬の鼻っ柱をへし折ってくれ!
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
A Siebel Action
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