[コラム:Spencer F. Katt]
ブログでサンとHPの確執がエスカレート

2004/12/21


 モニターを凝視し、念力でカーソルが動くかどうか試してみた。超能力が大好きなことでは人後に落ちない吾輩だが、ニューヨーク州保険局とニューヨーク州立大学アルバニー校が共同で、コンピュータ・アルゴリズムを使って脳波を解析し、カーソルを動かす実験を行ったというニュースを聞いたときは、さすがに興奮した。そういったことが可能になれば、そのうちコーラとスナックをジャグリングしながら、ハンドフリーでWebサーフィンができる日もやってくるだろう。もちろん、脳に何か変なものを埋め込む必要もない。吾輩の長年の夢が現実に大きく近づくではないか……。

 そんなバラ色の未来を夢見ていると、突然、携帯電話からジョン・レノンの「マインド・ゲームス」が聞こえてきた。

 電話をかけてきた友人の話によると、サン・マイクロシステムズとヒューレット・パッカードの口喧嘩(げんか)が、いよいよエスカレートしてきたもようだ。サンの社長兼COO、ジョナサン・シュワルツは先ごろブログで、HPがTru64 UnixをHP-UXに移植する計画を破棄したことを酷評した。シュワルツは、あるHPユーザーからこんな話を聞いた、と書いている。「HPは、まるでフットボールを持ったルーシーのようになってきた。正直いって、もうチャーリー・ブラウンのような気分でいるのに疲れたね」

 HPは今後、他社が開発した技術に依存する会社になっていくだろう、とシュワルツはいう。そして「OS戦争は、マイクロソフトのWindows、サンのSolaris、そしてレッドハットのLinuxに収束した」と断言する。

 友人は、HPのワールドワイドLinuxマーケティング担当ディレクター、エフレイン・ロヴィラにとって、この手のFUDに対抗することが、次年度の最優先課題になるという。「これまでHPは独自にLinuxディストリビューションを開発しようと思わなかったし、ほかのプラットフォームでLinuxをサポートするという印象を持たれることも避けてきた」とロヴィラ。しかし、「FUD攻撃は、独自のディストリビューションを提供しないことによって生まれる競争的価値を阻害しかねない」。一方、HP-UXについては、「今後もHPはサポートを続けるが、サンとは異なり、ユーザーをLinuxから切り離したり、UNIX製品へ誘導するようなことはしない」とロヴィラは話す。

 電話を切ったあと、吾輩は念力でコーヒーカップを手元に寄せようとして、あきらめた。どうでもいいけど、 クイズ番組「ジェパディ!」の連勝記録を作ったケン・ジェニングスは、ひょっとするとマイクロソフトの製品を売り込むために仕込まれたキャラクターかもしれないな。さて次の問題。「Encarta Reference Library Premium 2005」って何?

 サンタクララで開かれたシスコのアナリスト・カンファレンスに出席した友人に電話で聞いたところ、VoIPトラフィックに影響を及ぼすジッタ問題がウワサされているにもかかわらず、シスコはイベントで「CRS-1」ルータを大々的に宣伝していたそうだ。

 テレパシーでビールを注文しようとすれば、間違いなくウェイトレスの怒りを買うだろうなと予測するのに、特別な超能力は必要なかった。そのバーで友人から聞いた話だけど、マイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマーが「ビル・ゲイツには1日400万通のスパムが届く」と話したのは、どうやら言い間違いだったようだ。彼は、デトロイト・フリープレスのコラムニスト、マイク・ウェンドランドに、「年間400万通の間違いだ」と訂正したらしい。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Katt Scans

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