[コラム:Spencer F. Katt]
CESでBluetoothを売り込む謎の集団
2004/1/27
先週、米北東部を襲った寒波よりいまいましかったのは、ドナルド・トランプのリアリティ・ショー「ザ・アプレンティス(弟子)」に参加する若き起業家の1人として、吾輩が選ばれなかったことだ。根っからの資本主義者である吾輩だけど、ジェニー・クレイグ(大手ダイエット・プログラム会社)のフランチャイズをボルネオ島にオープンしようとして失敗した経験だけは、経歴書から削除しておくべきだったな。あれはロケーションがよくなかった。
トランプはテレビカメラが追う参加者より常に一歩前にいる。その点はさすがだ。コンピュータ・アソシエイツの共同創立者であるチャールズ・ウォンも、1980年代後半にサンジェイ・クマーを自分の弟子に取り立てて以来、ようやくそのことに気づいたに違いない。引退したウォンとCAのCEOであるクマーの個人的、経済的な確執は、ウォンの妻のナンシー・リーが先週、同社を去ったことから浮き彫りになった。彼女が設立したCAの子会社、アイキャンSPのCEOを辞任した後、リーはお別れの贈り物をもらうこともなく、セキュリティ・ガードに付き添われて夫が建てたニューヨーク州アイランディアのCA本社を出て行ったという。
「うー、寒い」。吾輩はパソコンのモニターの裏側に手を回し、凍てつくような寒さから逃れようとした。と、そのとき、低体温症の吾輩をあざ笑うかのように電話が鳴った。
受話器から聞こえてきた声の主は、ベル系電話会社が今年ロビー活動に本腰を入れる構えを見せていると教えてくれた。口の軽いオペレータの話によると、ベル系各社は4年前から主張している規制措置を強く求める方針だという。その内容とは、自社の顧客から得た収入はすべてキャリアが保持し、他社のネットワークを経由した場合も使用料は支払わなくてよいとするもの。業界関係者によると、そうした措置は、ベル系電話会社には有利だが、ほかのキャリアからの回線使用料に依存する地方の小さな電話会社にとっては痛手になるという。一方、地方に工場や流通拠点、あるいは本社を置く企業にとっては、電話料金の大幅な上昇をもたらしかねないそうだ。
あるIBMウォッチャーから届いたメールによると、同社が進めている組織再編の一環で、チボリのストレージ管理販売チームがIBMのトータル・ストレージ販売部門に吸収されることになったという。どうやらストレージ管理分野のすべての権限を、同社のストレージ部門に集中するためのファースト・ステージであるらしい。
サイダーを飲みながら、ニュースを吟味していると、再び電話のベルがなった。比較的温暖な気候のラスベガスで開催されたCESを視察してきた情報屋からの報告だった。それによると、今年のコンシューマ・エレクトロニクス・ショーの最大のスペクタクルは、“マトリックス”風の衣装をまとった男女300人の集団が「ブルートゥース」という呪文を連呼しながら、謎めいた言葉が書き込まれたカードを会場で配り歩いていたことだという。
さらに電話口の友人が教えてくれたもう1つの情報は、品のない吾輩のコラムを彩るにふさわしい好色な内容だった。新開発の「LCD Flat Panel Wall Mount」デバイスを売り込むために、バンテージ・ポイントはタイトなTシャツを着た美女軍団をブースにはべらせていたそうだ。そのTシャツの胸には、「Mount Me(私に乗って)」とプリントしてあったらしい。ラスベガスでなきゃ許されないね。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
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