[コラム:Spencer F. Katt]
2人のラリー・エリソン
2004/4/27
ラリー・エリソン氏がサンフランシスコ・ジャイアンツの強打者バリー・ボンズの660号と661号のホームラン・ボールをSBCパーク場外のマッコビー湾でゲットしたという記事を読んだとき、吾輩は風邪薬を飲みすぎたせいか、あるいはニューイングランドの陰気な気候のせいで頭の回路がショートしたのだと思った。
しばらく呆然としてると、友人が礼儀正しくこう指摘した。「そのエリソン氏というのは、リタイアした消防士で熱狂的なジャイアンツ・ファンだ。確かにボートを所有している点では共通するものがあるけど、あのレッドウッドショアの道楽者じゃないよ」。
まぁ、CEOはマッコビー湾をパドリングしていなかったかもしれないが、いずれにしてもオラクルのセーリングは順風満帆だ。同社のデータベース・ソフト「Oracle Standard Edition One」は、デルのサーバ製品「PowerEdge 2600」(Windows)と「同2650」(Linux)にバンドルされて販売されることが決定した。
エリソンといえば、吾輩の仲間の1人が、もしオラクルのボスをFriendsterの友達リストに加えたいなら、新婦メラニー・クラフトのホームページからのアプローチは考えない方がいい、と話していた。そこはミセス・ラリーの恋愛小説を宣伝するサイトで、「melaniecraft.comでは、残念ながらラリー・エリソンへのメール、質問は転送できません」と書いてあるらしい。
それにしてもボトル入りの風邪薬を3本も飲んだのに、吾輩の鼻風邪には、アプリケーション・レイヤ攻撃に備えるパケットフィルタリング・ファイアウォール程度の効果しかなかった。陰うつな気分でいると、あるセキュリティ専門家からインスタント・メッセージでニュースが送られてきた。それによると、ノキアがアンチウイルス、ファイアウォール、VPN関連機能を搭載する統合セキュリティ・アプライアンスのメーカー、フォーティネットの買収に動き出したもようだ。ノキアは、インターネット・セキュリティ・システムズ(ISS)が独自ブランドで製品を発売したため、同社との提携を解消した。セキュリティ市場への再参入を図るために、フォーティネット買収は十分考えられる。また、情報をくれたセキュリティ専門家によると、ネットワーク・アソシエイツがいよいよ脆弱性管理ベンダ、ファウンドストンの買収に成功したらしい。まだ未発表のニュースだという。
吾輩はブルーな気分を吹き飛ばすために、新しく買ったエアロスミスのCDを聴くことにした。CDのパッケージには、小さなハーモニカのキーホルダーが付いていた。なるほど、オンライン音楽サービスもうかうかしてはいられないね。いくらなんでも、おまけはダウンロードできないからな。
市販の飲み薬で意識朦朧(もうろう)となった吾輩は、鼻づまりに悩まされながらオフィスを出て自宅へ戻った。するとほどなく、ペンギン・ファンの友達から電話がかかってきた。彼の情報によると、ドイツの週刊誌「シュピーゲル」のWebサイトに、SCO副社長のグレゴリー・ブレップが裁判の証拠資料となる100万行のコードを抱えて、おそらくブリーフケースにでも入れて、ドイツのどこかにいるという記事が掲載されているそうだ。それを聞いて吾輩は、1960年代に公開された風変わりな映画を思い出した。きっと、いろんな人間がブレップからブリーフケースを奪おうと、噴水の周りで追いかけっこしているに違いない。
ようやく薬が効き始めたようだ。睡魔に身をゆだねていると、潜在意識の中に隠れていたマントラが吾輩の口からこぼれ出た。それはスティーブ・バルマーの居城、レドモンドのマイクロソフト・ビルディング34のロビーにあったポスターの文字だ。「プロフェッショナル、直観的、クリーン、親しみやすさ、(ハートマーク)Longhorn……」。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です
[英文記事]
Cold
Warrior
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