[コラム:Spencer F. Katt]
SOAの次はBOAか?

2004/8/3


 ボストン・トゥイーター・センター(Boston's Tweeter Center)で開催された「Ozzfest」のステージの前で、熱気に包まれた大勢の観客にもみくちゃにされながら、吾輩は携帯電話に向かって叫んだ。「はい、こちらスペンサー!」

 電話をかけてきた相手は、マラソン音楽祭を楽しんでいる最中に割り込んだ非礼をわびたあと、マイクロソフトのトップシークレット・プロジェクト「BOA(ビジネス・オリエンテッド・エージェント)」の話を耳にしたことがあるか、と話し始めた。同社のSOA(サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ)についてはよく知られているけど、BOAというのは初耳だ。その情報をくれた声の主によると、TechEd Europeのあと、マイクロソフトのXMLアーキテクト、ドン・ボックスのグルーピーたちがBlogでそのニュースを流し始めたらしい。なんでもBOAは、Microsoft Transaction Server(コード名:Viper)ファミリーに含まれ、新しいBML(ビジネス・マークアップ言語)で“Indigo”やBizTalkを機能強化するものになるという。

 「あまり信用しない方がいいかもね」。人波に揉まれ、足をばたつかせながら、吾輩はそう応えた。レドモンドの連中はメディアの反応をチェックするために、そうした手を使うことがあるらしいからだ。マイクロソフト・ファンが熱心に読んでいるブログに偽情報が流れ、善意の傍観者たちがそれを真実と思い込んでしまうことがよくある。無垢な若者がそうした情報を真に受け、コーディングの仕事を中断しないように願うばかりだ。

 ようやく足が地面に届いたとき、また誰かがなれなれしく吾輩の身体を押し始めた。が、すぐにそれはBlackBerryのバイブレーションであると判明。友人からの情報提供だった。CAを6月30日付けで退社したサンジェイ・クマーは、まだまだ同社に強い影響力を残しているらしい。友人によると、経営チームの一部で日常業務の権限を剥奪される動きがあったという。どうやら製品開発担当上級副社長のマーク・バレンチェアが、クマーの意向で動いたもようだ。

 それにしてもヘイトブリードやエブリタイム・アイ・ダイといった名前のバンドの演奏には、ちょっと耐え難いものがあった。ブロスやエア・サプライなんかが演奏していれば、もっと楽しめるのにと思っていたら、「最近調子どう?」と知り合いの女性が近づいてきた。彼女は観衆の熱狂にかき消されないように大きな声で、「どうやらスリーコムがWLANスイッチをTrapeze NetworksにOEM供給するらしいわよ」と教えてくれた。

 そのあとフラフラと駐車場に向かう途中、吾輩は「システム管理者に感謝しよう」と印刷されたTシャツを着た青年に出会った。ThinkGeek.comというところで買ったらしい。7月30日が今年で5年目を迎える「システム管理者感謝デー」であることを、上司が忘れないように着ているのだという。そうか、たまにはシステム管理者にも感謝の気持ちを示さないとね。でも花束をあげるより、ポテトチップスやコーンスナックやハーゲンダーツのアイスバーのほうが喜ばれるだろうな、きっと……。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Mosh Ado About Nothing

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