[コラム:Spencer F. Katt]
リアリティ・ショーにゲイツのスパイ?

2005/2/1


 「アミーゴ、面白いネタがいくつかあるけど、オンデマンドでどうだい?」。吾輩は友人に、近所のメキシカン・フード店でランチをおごってくれるなら最新情報を提供しようと申し出た。すると、「どうせIBMのオフィスでオンデマンドじゃないのは……、なんていうんだろ? 知っているさ、ガールスカウトのクッキーだよ」と軽くいなされてしまった。

 IBMでは最近、オフィス内での訪問販売を禁止する厳格なポリシーを徹底させるため、従業員に通達を出したのだが、その中にガールスカウトのメンバーが売り歩くチョコレートミント味のクッキーも含まれていた。ビッグブルーは、ミント・クッキーの小さなディーラーたちまで、職場のペルソナ・ノン・グラータ(歓迎されざる人物)に指定したのだ。きっとIBMのオフィスの外じゃ、トレンチコートを着た不審な男たちが、ニューヨークの街角でブツをさばくように人目を避けながらブラウニーを売っているに違いない。

 チップスにサルサソースをつけながら、友人は話を続けた。「それはそうと、RIMのBlackBerry Enterprise Serverが、今年リリースする4.1でDB2をサポートするらしい」。このサーバ、BlackBerryデバイスを企業のメールサーバに接続するものだけど、これまではマイクロソフトのSQL Serverしかサポートしていなかった。RIMは4.0でDB2サポートを実現するつもりが、DB2の実装に思いのほか時間がかかり、現行バージョンでのサポートは断念したそうだ。

 そのとき突然、吾輩の携帯電話から「For the Love of Money」のメロディが大音量で響き渡り、友人の口からマルガリータが噴出した。電話をかけてきたのは、知り合いのマイクロソフト・ウォッチャーだった。その情報によると、マイクロソフトの従業員の1人が、NBCのリアリティ・ショー、ドナルド・トランプの「アプレンティス」第3シリーズに登場するという。

 その従業員は、ヴェルナという名前の31歳の女性(NBCでは参加者のラストネームは公表しない)で、ビジネス・コミュニケーション学でMBAを取得、レドモンドでは製品管理マーケティングを担当し、数百万ドルの大規模プロジェクトも手がけているという。しかし、そんな才媛が、またなぜトランプの見習い生なんかになろうというのだろう? もしかしてリアリティ・ショーに野望を抱くビル・ゲイツが、番組のコンセプトを盗むために送り込むスパイだったりして……。

 吾輩はグアカモーレ(アボカド・ディップ)をむさぼりながら、最近インターネットに流出したフォルクスワーゲン「ポロ」の自爆テロCMについて、同社が必死に関与を否定していることを知っているか、と友人にきいてみた。そのビデオは、ポロに乗ったテロリストがレストランの前で停車し、車内で爆弾を爆発させるが、衝撃は車体内部にとどまり、“Polo. Small but tough.”というメッセージが表示されるもの。友人の話によると、そのショートフィルムはリーアンドダン・ドットコムのスタッフが試作版として作成したもので、なんらかの手違いでネットに流出してしまったのだという。まぁ、確かに“お父さんのクルマ”の広告ではないな。

 友人が伝票に手を伸ばしたとき、吾輩はコンピュータ・アソシエイツで現在進行中の経営陣のシャッフルと組織再編について話を振ってみた。すると友人は、アイランディア本社のインサイダーから、自嘲気味にこんな話を聞いたという。「みんな競争で誰かにキスをしようとしているんだ。でも誰にキスしていいかが分からない。口をすぼめた状態で右往左往しているから、あごが疲れて大変だよ」

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Salsa Beat

Copyright(c) eWEEK USA 2002, All rights reserved.

Spencer F. Katt バックナンバー

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)