[コラム:Spencer
F. Katt]
“ダーティハリー”が次世代ゲーム機に
2005/3/15
サンフランシスコ上空に描かれた“Turion”の空中文字を眺めながら、吾輩はダーティー・ハリー風につぶやいた。「やってみろよ、クレイグが相手になるぜ」。
Turionというのは、AMD 64プロセッサの次期モバイル・ファミリーの製品名だ。さすがにインテルの社交的なCEO、クレイグ・バレットも、「インテル・デベロッパ・フォーラム」の開催中に目にはしたくはなかっただろうね。
クリント・イーストウッドが最優秀監督賞でオスカーを手にしたからか、それともワーナー・ブラザーズと次世代機向けの“ダーティハリー”ゲームに声と肖像を提供する契約を結んだからか、ロールプレイングゲーム・マニアの吾輩は、すっかりハリー・キャラハン気分でモスコーニセンターに潜入したのであった。
バレットは基調講演で、「Itaniumみたいなものは、もっと早く追い払うべきだった? そうだろう」と無表情に話したあと、いつものように米国の学校教育への批判を展開した。吾輩が一緒にいた友人に、「IBMはItaniumを落としたけどね」と話しかけたら、それをさえぎるように友人は、「ビル・ゲイツも先日、米国知事協会のスピーチで教育制度を厳しく批判していたな」といった。
「まぁ、不思議ではないね」と吾輩は応じた。なにしろいま壇上にいるのは、テレビ電話と無線インターネット接続でベビーシッターができるロボット・テディベアのプロトタイプを派手に宣伝しまくっていた「マイクロソフト・テックフェスト」の主催者が送り込んできた男だからな……。
それはさておき、モスコーニセンターの向こう側にあるレストラン「サースティベア」で、友人と食事をすることにした。そのテーブルで友人が、5月に予定されているセールスフォース・ドットコムのホステッドCRMサービスの次期アップデートは、信頼性と安定性が大幅に改善される見込みだと教えてくれた。一部のユーザーからは、散発的にサービスが停止するとの不満も出ているが、同社では99.9パーセントのアップタイムを実現するらしい。
また友人によると、先ごろ悲観的な収益予想を出したサムソンは、販売スタッフに自社製の携帯電話を持ち歩くよう求めているらしい。ただし、自分で購入することが前提だとか。「つまりは臨機応変にってことだ」と、吾輩はケータイをマグナムのように突き出し、ニヒルに笑った。
一方、マイクロソフトのアンチスパイウェア・プログラムが、モジラのFirefoxブラウザをスパイウェアだと指摘している偽スクリーンショットが出回っていることを友人に聞くと、「最初、ゼロペイド・ドットコムにジョークで掲載されたやつだ。いくつかの技術系ニュースサイトが本物だと信じて転載して、大騒ぎになった」と説明してくれた。
友人は最後にもう1つ、面白い話を聞かせてくれた。日本のNTTドコモの中村維夫社長は、携帯電話の操作にかなり熟達しているらしく、会議中、ポケットから本体を取り出さずに部下にメールを送ったりするそうだ。「ズボンの中からメッセージを送るなんて、キミにそんな神業ができるかい?」と友人が言うので、吾輩はイーストウッドっぽく、「人には限界ってものがあるんだよ」と答えたのであった。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
Katt Channels Dirty Hairy
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