[コラム:Spencer
F. Katt]
こちら管制塔、トム少佐応答せよ
2005/4/26
デビッド・ボウイの「Space Oddity」を聴きながら、バリトン・ボーカルをまねて“Ground control to Major Tom”と単調に繰り返していたら、テーブルの上の携帯電話がブルブルと揺れ動いた。
電話に出ると、ワシントンD.C.で開催中のOracle Technology Dayに潜入していた情報屋からだった。彼の話によると、カンファレンス会場では、オラクルが5月31日まで実施する宇宙旅行懸賞付きのJava開発者向けコンテストに関するジョークが飛び交っているという。コンテストの優勝者には、バート・ルータンの有人宇宙船「SpaceShipOne」のボーディングパスが与えられることになっている。ただし、当然のことながら、「もし優勝者のオラクル製品のライセンスが期限切れだったら、そのときは片道切符になる」(情報屋)らしい。
ラリー・エリソンはひょっとして、リテックのWebサイトに掲載されたプレスリリースを宇宙空間に投棄するため、すでに密かにSpaceShipOneを借りてたりして? オラクルはさきごろ、SAPに競り勝ってリテック買収に成功したが、情報屋によると、リテックのオンライン・プレスリリースのアーカイブから、SAPとの買収合意を伝えるプレスリリースがきれいさっぱり消えているという。
もっとも、リテックのサイトから“なくなった”プレスリリースは、LexisNexisのデータベースでまだ読むことができる。例えば3月17日付のリリースは、リテックの役員会が同社の株主に、SAPによる1株11ドルの買収提案を受け入れるよう推奨していたりする。おそらくラリーは競争相手を蹴飛ばすだけじゃ物足りず、あらゆる記憶をすべて消去したいとでも考えているのだろう。
それはさておき、吾輩は書庫にため込んだ古雑誌をかき分け、「エレクトロニクス」誌の1965年4月19日号を必死で探した。インテルが1万ドルで、その号を買いたいといっているからだ。なんでも、ムーアの法則が始めて紹介された印刷物なのだという。
古いTVガイドの山が吾輩の頭上で崩れ、危うく遭難しかけたとき、ふたたび携帯電話が鳴った。聞こえてきた声の主は、いつもの友人だった。彼が巷で拾った情報によると、BMCがまたしても壁にぶち当たったようだ。同社は最近、全従業員の12パーセントをレイオフしたばかりだが、フラッグシップ製品「Patrol」管理スイートの販売が芳しくないという。Patrolの売り上げは、過去2年にわたって予想を大きく下回っている。
結局、高値で売れそうな雑誌は見つからなかったが、吾輩はそのまま、コンピュータ・アソシエイツがLinuxカーネルへの組み込みを目指して、KGEM(Kernel Generalized Event Management)をサブミットしたという情報を探した。CAの役員から直接聞いた話では、2005年7月にオタワで開催されるLinuxカーネル開発者サミットで大々的なプロモーションをかける計画だという。
Linux 2.6カーネルの現行管理者、アンドリュー・モートンは、KGEMについて次のように話している。「ビジビリティに問題があるし、他の人々が似たようなイベント通知技術を開発中だ。CAがサミットで詳しく説明してくれるというのなら、それはそれでOKだけど」。はたしてCAはペンギンの群に歓迎されるだろうか、それとも小突き回されて追い払われる……?
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
Earth to Spencer ...
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