[コラム:Spencer
F. Katt]
Blowfishはクラックできるか?
2005/5/17
コロナビールに注ごうとしたライムジュースが飛び散り、吾輩の目玉を直撃した。まあ、いい。なんといってもシンコ・デ・マヨ(5月5日、メキシコの対仏戦勝記念日)のお祭りだ。多少のことは大目に見よう。にわかフェスティバル会場となった吾輩の部屋で、知り合いのレポーターたちがドンチャン騒ぎを繰り広げる中、吾輩はハール・アルバートのCDを大音量で鳴らし、eWEEKの競合紙で作ったロバ形のピニャータにまたがって、お気に入りの傘を振り回していた……。
そんな「プエブラの戦い」の祝祭は、いつもの友人からの電話で中断を余儀なくされた。彼の情報によると、このところ財務状況が悪化していたデジタル・ライフスタイル・グループが、ついにシャットダウンしたという。WinHECでティーン向けのコンピュータ「Hip-e」を展示していた同社だが、SECに提出した報告書によると、数百万ドルに上る無担保債務を圧縮するため、資本の増強を図っていたもよう。ところが債権者との話し合いを進めている最中に、マイクロソフトがWindowsのライセンス料を支払うように求めてきたため、デジタル・ライフスタイルはやむなく製品の出荷を停止しなければならなくなったらしい。
それはさておき、ファヒータ(メキシコ風焼肉)でメキシカン・ライフスタイルを極めようと思いつき、通販で買ったジョージ・フォアマン・グリルをテーブルの上にセットしていたら、吾輩の料理の腕前をよく知る仲間たちは、どういうわけかさまざまな用事を思い出し、そそくさと部屋を出て行ってしまった。なんというやつらだ。
1人残された吾輩は、やることもないので、とりあえずFoxの人気番組「24」の見逃したエピソードをBitTorrentでチェックすることにした。架空の対テロリズム・エージェンシー、CTUのコンピュータ専門家がテロリストのコンピュータから暗号ファイルを取り出そうとする話は面白かった。なにしろ敵のラップトップは、実際に存在するブルース・シュナイアーが開発した暗号化アルゴリズム「Blowfish」でプロテクトされていたからだ。
テロリストのガールフレンドがCTUのエージェントに、ファイルの暗号を解くことができるのかと聞くと、エージェントは答えた。「このファイルはBlowfishで暗号化されている。しかし、CTUには独自のアルゴリズムがある。必ず解読することができる」。こりゃシュナイアーも、うかうかしていられないね。
「Tijuana Taxi」の曲にあわせてマラカスを振っていると、アミーゴからの電子メールがPCの画面にポップアップした。それによると、アプリケーション・フロントエンドやWAN最適化技術に熱い期待が寄せられているにもかかわらず、先週、ジュニパーがペリビット・ネットワークスとレッドライン・ネットワークスを買収したことで、同市場のスモールプレーヤーたちが必ずしもみんな順調というわけではないことが明らかになったという。
アミーゴの報告によると、エクスパンド・ネットワークスはその日その日を乗り切るための財務的なサポートを必要としており、アロット・コミュニケーションズはISPへの取り組みを強化するためにエンタープライズ部門を縮小しようとしている。ジュニパーの買収に対しては、ウォール・ストリートも好意的に反応した。だが、アミーゴによると、同社は少なくとも最近買収した4つのソフトウェア・プラットフォーム(レッドライン、ペリビット、カグーア、ネットスクリーン)に関して、JunOSとどのように統合化するか、明確なロードマップを示すことができずにいるという。
そうこうしていると、吾輩の部屋に1人のペンギン・フリークがやって来た。笑顔で迎え入れると、彼は、アルゼンチンで開発された無料のGNU/Linuxディストリビューション「Ututo-e」に注目が集まっていることを教えてくれた。この製品はGentooベースのディストリビューションで、Linuxマニアが求める機能をすべて備えているわけではないが、フリーソフトウェア財団がバックアップしているため、おそらく多くのユーザーが手にするだろうという。
ふむ。「スターウォーズ」の最新作が上映されるまで、とりあえずテキーラでも飲んで時間をつぶすようなものかな?
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
Noticias Con La Salsa
Copyright(c) eWEEK USA 2002, All rights reserved.
Spencer F. Katt バックナンバー |
情報をお寄せください:
最新記事
|
|