[コラム:Spencer F. Katt]
ビッグ・アップルでもInterop開催か?

2005/5/24


 スティーブ・ウィンが27億ドルを投じてオープンしたというウィン・ラスベガス・リゾートを横目で眺め、「ふん。豪勢なこった」と毒づき、ハワイアン・ウェディング・ソングを口ずさみながら、吾輩はラスベガスの大通りを歩いていた。規模は縮小されたものの、いまだにガチガチの技術者たちを吸い寄せるInteropを取材するためだ。

 イベントの主催者によると、来場者は前年比10パーセント増と好調で、出展企業も前年より35社増えたというが、展示会場はあの途方もなく巨大なラスベガス・コンベンション・センターから、比較的管理が容易と思われるマンダレー・ベイへと変更された。賢明な判断といえるだろう。

 イベント関係者の話によると、InteropNetへの不正侵入は、開催初日の火曜日の朝までに、すでに40件も発生していたらしい。「InteropNetは、いってみればネットワーク・セキュリティの最高峰だ」と関係者。「だから腕に覚えのあるハッカーたちには、みんな全力でチャレンジする」

 基調講演を行ったインテル・モビリティ部門のゼネラルマネジャー、シーン・マロニーは、スピーチのほとんどを「WiMax」の宣伝に費やした。ホテルの屋上に設置したモニターにカメラ付き携帯電話を接続し、会場から表通りの交通状況をチェックできるようにするなど、大掛かりな仕掛けを用意したものの、道路があまり混んでなかったので、ちょっと拍子抜けした様子だった。WiMaxのデモの内容は、いずれ一般ユーザーに提供されるネットワークの一部になるはずだが、サービス提供までの具体的なタイムフレームは示されなかった。

 一方、シスコのCEO、ジョン・チェンバースは、講演でイノベーションとインタラクティブ・ネットワークについて熱弁を振るっていた。チェンバースはこのところ、ネットワーク関連イベントでジェリー・スプリンガー(米国の過激な身の上相談テレビ番組の司会者)ばりに聴衆を盛り上げようとするけど、吾輩はどうもなじめないね。スコット・マクニーリやビル・ゲイツのほうがまだましだ。

 そんなチェンバーズを真似て講演を行ったのが、ジュニパーの会長兼CEO、スコット・クラインズだ。登場するなり、聴衆に向かって、「もしみなさんが、ボノ(U2のボーカル)に会いたかったか、無料のiPodを手に入れたかったのなら、残念でしたね」。どちらも以前行われたシスコのプロモーションに用いられたギミックだ。

 展示会場では、シスコ、ファウンドリー、エクストリームの各社が新製品を出品していたが、スーパカムの288ドルのビデオカメラ以上に来場者の注目を集めることはなかった。スーパカムの担当者はクレジットカードの扱いに慣れていなかったようで、同社のブースには長蛇の列ができていた。ラスベガスで、こんな風にどこにでも隠せるハンディーなビデオカメラを持ち歩いていたら、きっと愉快な映像が撮れるだろうとは思うけど、問題は288ドルを出張費の中にどう隠すかだな……。

 ホーム・セキュリティ・アプライアンスを宣伝していたエレクトロニック・ライフスタイル・インテグレーションのブースにも、多くの来場者が集まっていた。ELIは最近、セキュリティ道師、ハワード・シュミットを会長に迎え入れてステータスが一気にアップしたばかりだ。

 その夜、ブラックジャックのテーブルに向かう途中、吾輩の友人が新しい情報を仕入れたといって近寄ってきた。メディアライブ・インターナショナルは、2005年12月、ニューヨークでもう1つのInteropを開催する計画だという。ふむ。ラスベガスでなきゃ、こんなイベントにだれが来るんだ?

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Kattus Interoptus

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