[コラム:Spencer
F. Katt]
世界初のオープンソース・ビール Ver 1.0
2005/8/16
「ずいぶん太っ腹だな」。コンピュータの基本的な利用方法を学ぶスコットランドの成人全員に補助金100ポンドが支給されるというニュースを耳にして、吾輩は思わず声を上げた。所得のレベルにかかわらず、スコットランドのすべての成人が対象となるこのコンピュータ教育基金は、所得の低い学生に奨学金200ポンドを支給する英国の補助金制度「個人学習勘定(Individual Learning Account)」を拡張して提供されるという。
吾輩はふと、NBCの人気番組「サタデーナイトライブ」のコントを思い出した。それは、ショーン・コネリーとロッド・スチュワートとシュレクが、パソコン・インストラクターの指導を無視して“キルト盗撮”サイトばかり検索し、最後にインストラクターが発狂してしまうというストーリーだった。
そのとき突然、吾輩の携帯電話から着メロに設定してあった「Purple Heather」が流れてきた。情報屋からの緊急連絡だ。それによると、シンボル・テクノロジーズのCEOウィリアム・ヌティが、NCRのCEOに就任するため、シンボルを退社したらしい。ヌティがリプレースする暫定CEOのジェームズ・リングラーは、会長としてそのまま留まるという。リングラーは、マーク・ハードがヒューレット・パッカードのCEOに転出したあと、暫定的にCEOの職を兼務していた。
「知っていると思うが」と情報屋は続けた。「最近シーベルのCEOをジョージ・シャヒーンに明け渡したマイク・ローリーは、シンボルのボードメンバーになった。おそらく次のCEOの最有力候補というのが、衆目の一致するところだ。彼はいずれ、IBMの旧友たちと買収交渉をセッティングすることになるだろうね」
あり得ないことではないな。同社の第2四半期の収益報告で3050億ドルもの純損失が明らかになり、株主たちの間でかなり不満が高まっているからだ。また最近、ライバルのインターメックが3件の特許権侵害でシンボルを訴えたことも、同社に暗雲を投げかけている。
それはそうと、羊の内臓なんか口にしたこともないのに、なんだか急にスコットランドの伝統料理ハギスが食べたくなった吾輩は、友人と一緒に近くのカフェテリアに向かった。残念ながらハギスはメニューになかったので、シェパードパイで我慢することにしたが、そこで友人からルーズリーフ・ソフトウェアが倒産したことを聞かされた。ルーズリーフの社長だったボブ・バラバンは、上級コンサルティングITスペシャリストとしてIBMに採用されたらしい。
友人と吾輩はランチをむさぼりながら、オラクルが最近、インド最大のバンキング・アプリケーション・ベンダ、アイ・フレックスの株式の41%をシティグループから取得したことを話題にした。オラクルはあと20%ほど、同社の株式を買い増す考えだ。買収に必要な資金はトータルで9億ドルを超えるとみられている。きっとルピーに換算したら、途方もない数字になるだろう。
オフィスに戻ったあと、吾輩は冷たいビールの栓を空け、コペンハーゲンIT大学の学生たちが世界初のオープンソース・ビールを作ったというニュースに祝杯をあげた。彼らが「Vores ol (私たちのビール) Version 1.0」と名付けたビールを作るきっかけになったのは、オープンソース界の導師、リチャード・ストールマンの言葉だったという。彼はこう語っている。「フリーソフトウェアのフリーは、自由であるという意味であり、価格のことを問題にしているのではない。つまりフリースピーチ(言論の自由)のフリーであり、フリービール(無料のビール)のフリーではない」。
世界初のオープンソース・ビールに興味のある向きは、ぜひhttp://www.voresoel.dkをチェックされたい。吾輩が世の中で最も愛して止まないもの、それはテクノロジとビールだ。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
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