[コラム:Spencer
F. Katt]
朝食のシリアルか下ネタのスラング?
2005/8/30
パコーン! と大きな音を立てて吾輩の後頭部をフリスビーが直撃した。バケーションでやってきたケープ・コッドのビーチは、ようやく確保した陣地を無遠慮に侵犯する人々が例年より多いような気がした。実際、吾輩のビーチチェアのまわりには大勢の海水浴客がひしめき、15分ごとにピニャコラーダを運んでくれるカクテル・ウエイトレスも、この次はオーダーした吾輩を見つけられないかもしれない、と心配になるほどだった。
吾輩の足に砂をかけて喜ぶ無礼な幼児を追い払おうとしたとき、ケータイから「Wipeout」のメロディが流れてきた。かけてきたのはペンギン派の友人だった。彼の情報によると、オレゴン州ポートランドでさきごろ開催された「オライリー・オープンソース・カンファレンス」で、グーグルのオープンソース・プログラム・マネージャ、クリス・ディボナの講演に、マイクロソフトの関係者たちが鼻白む場面があったという。ディボナは来場者に向かって、グーグルは自社開発の各種技術をオープンソース・コミュニティに公開していくが、一般のユーザーには実行できないような技術、例えば大規模なデータセンターを必要とするソフトなどは提供しないとした。
セッションルームのうしろの方に隠れていたマイクロソフトの技術者は、「グーグルがエンタープライズ関連のソフトウェアをリリースしないのは勝手だが、もしわれわれがWindowsやOffice、あるいはSQL Server向けのコードをリリースしないなんて言った日にゃ、轟々たる非難が巻き起こるだろうね」と小声でささやき、オープンソース・コミュニティに取り入ろうとするグーグルの動きに苛立ちを隠さなかったという。マイクロソフトのエグゼクティブの1人は、「いつかグーグルも、われわれと同じルールで戦わなければならない日が来るさ」と、肩をすくめたそうだ。
ウエイトレスが運んできたカクテルグラスから真っ赤に染色されたチェリーを取り出し、ぺチャぺチャ音を立てながらかじっていると、図体のでかい2人組の男が吾輩の頭越しにフットボールのトスを始めた。やれやれ。
そんな中、電話の友人は、“HoneyMonkey”という名前について吾輩に論評を求めた。Webサイトを検索して邪悪なコードを自動的に検出、分析できるWindowsクライアントに、マイクロソフトが付けた名前だ。「朝食用のシリアルか、下ネタ系のスラングみたいだな」と吾輩は笑った。
電話を切ったあと、見知らぬ一組の家族がわがテリトリーに深く侵入し、吾輩のビーチパラソルの下にマットを広げた。ずうずうしいにもほどがある。文句を言おうと上体を起こしたとき、BlackBerryがインスタント・メッセージの着信を知らせた。大西洋の反対側にいる友人からだった。彼の情報によると、大英帝国のオープンソース信奉者たちは、デジタル著作権管理に目を光らせる監査機関の必要性を感じているという。そのために草の根組織がwww.pledgebank.com/rightsで支援金を募っているそうだ。
隣の家族連れから温かいボローニャサンドイッチをせしめた吾輩は、その後も対岸の友人とメッセージのやり取りを続けた。彼は、ノベルが近日中にZENworks管理スイートのバージョン7を出荷すると教えてくれた。そういえばこの製品、毎年バージョンアップされる。吾輩は片方の手でビーチの砂を叩きながら、新バージョンの登場に喝采を送った。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
This Sand Is Your Sand, This Sand Is My Sand
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