[コラム:Spencer F. Katt]
“ハード”アウトしたフレンド・オブ・カーリー

2005/12/20


 「SNARF!」とクシャミをして、「はて、どこかで聞いたことがあるような」と思ったら、マイクロソフトが最近公開したユーザーの人間関係を手がかりに電子メールを分類する無償アプリケーション「Social Network and Relationship Finder」の頭字語だった。吾輩は念のため、手元にある感冒薬を片っ端からバッグに詰め込み、急いでニューヨークへ向かった。サンのCoolThreadsテクノロジの発表会を取材するためだ。

 それにしても、ナスダックビルの前でサンのロゴが付いた油井やぐらを見上げたときは、「幻覚か?」と一瞬狼狽した。その後、いつもはビジネスカジュアルなスコット・マクニーリが、なぜかチャコールグレーのスーツに赤いネクタイでサンの新サーバ「T1000」と「T2000」を発表する姿をみるに至って、風邪薬とはいえ過度に服用するものではないな、と反省してしまった。

 まぁ、サンのグリーン・エナジー・セービング・メッセージを喧伝(けんでん)する日に、ゴードン・ゲッコー(映画『ウォール街』の主人公。マイケル・ダグラスのはまり役)のようにドレスアップするのは、マクニーリの勝手ではあるが、残念なことに、吾輩は彼のシャツに点々と付いたスポットを発見してしまった。ジョナサン・シュワルツが、Web 2.0でサンはそうありたいと望んだドットとは、大違いだな。

 そのとき、吾輩のキャットフォンがポケットの中で振動した。電話をかけてきた友人によると、マイクロソフトのスティーブ・バルマーがワシントン州議会議事堂で開かれた州政府納入業者の集まりで、自分の電子メールアドレスを公開し、「あー、記者のみなさん、書いちゃダメですよ」とのたまったそうだ。おいおい、彼のアドレスが、steveb@microsoft.comだと知らない奴はいるのかね?

 カクテルを何杯か飲めば、少しは頭がスッキリするかもしれないと思い、タクシーをつかまえてウォルドーフのバー「ブル・アンド・ベア」に向かった吾輩は、そこでソフトウェア業界のベテラン技術者とばったり出会い、最近の業界動向について聞くことができた。その人の話によると、多くのソフトウェア会社が製品開発のコンポーネント化に向かう中、IBMは開発者たちに同社のソフトウェア・ポートフォリオの再利用可能なコンポーネントを積極的に再利用するよう奨励(しょうれい)するなどして、業界をリードしているらしい。もちろん、すでに存在するコンポーネントを再開発するなんて、余計な災いを招くだけだが。

 吾輩はベテラン技術者に、ヒューレット・パッカードのソフトウェア・チーフ、ノラ・デンゼルがなぜ最近、「個人的な理由」という実にありふれた説明で会社を辞めたのか聞いてみた。ベテランによると、彼女がFOC(フレンド・オブ・カーリー)の1人であったために、“ハード”アウトしたというのが真相だろうという。ウワサによると、辞任発表の1カ月前から、HPはヘッドハンター2社を招いて彼女の後任探しを始めていたとか。

 背中に寒気を感じながらホテルの部屋にたどり着いた吾輩は、とりあえず電子メールをチェックすることにした。すると「パーフェクト・ホリデー・ギフト」というタイトルのメールが友人から届いていた。メッセージには、www.audi-oh.comへリンクが張られていたので、さっそくクリックしてみると……。さすがに感動するほどのものではないが、激しく興味を引き立てられた。このWebサイト、MP3オーディオ入力端子を備えたバイブレータを売っていたのだ。このデバイスは音楽にあわせてバイブレーションを変化させる仕組みらしい。もしかすると、一世を風靡したディスコサウンドが再び盛り返すきっかけになる?

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Cold Warrior

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