[コラム:Spencer
F. Katt]
デルがAMDチップを大量買占め?
2006/1/19
「口で息をするオタク社員たちと年がら年中、一緒にいるのは嫌なんだろうな」。スティーブ・バルマーがビジネスをかねて家族とともにニュージーランドへバケーションに出かけたと聞いて、吾輩は彼の日ごろの気苦労に同情した。現地では、ぜんそく患者向けのデジタル吸入器「Smartinhaler」を販売するマイクロソフトのビジネスパートナーとミーティングを重ねたもようだ。
そのデバイスのメーカーは「ネクサス6」というらしい。「ブレードランナー」でルトガー・ハウアーがやったレプリカントかよ、と突っ込みたくなるのは、吾輩だけではあるまい。それはさておき、Smartinhalerは患者の呼吸を監視し、薬剤の残量を表示するほか、ドッキングステーションに接続すれば、医師に肺機能などのメディカルデータをアップロードすることができる医療機器なのだという。「マイクロソフトはWindows Media Playerをバンドルして、米国で販売するつもりなんですかね」などと、吾輩はデンバー空港で次のフライトを待つ間、暇そうにしていた隣の旅行客に話しかけた。
一緒にビールを飲んでいると、その旅行客が少し前までEPAで働いていた有能な技術者であることが判明した。最近リークされたWMF(Windows Metafile)の脆弱性を修正する非公認パッチに話題が及んだとき、吾輩の新しい友人は、危機的な状況の中でとりあえずユーザーを安心させようと、マイクロソフトが故意にリークしたのではないかと推測した。
彼はもう1杯ビールを注文しながら、米国情報技術協会(ITAA)のハリス・ミラー会長がバージニア州から連邦議会に立候補するというウワサが流れていることを話題にした。さらにサラダ&チップスを平らげながら、最近、AMDのプロセッサが品薄状態になったのは、デルが大量に買い占めたことが原因だとの(おそらく根拠のない)憶測が飛び交っていることを教えてくれた。
元EPAの技術者が飛行機に乗るために立ち去ると、吾輩の携帯電話が鳴った。あるLinux業界関係者からの情報提供だった。それによると、ノベルの元従業員ジェフリー・メーキーが、またしてもLKML(Linuxカーネル・メーリングリスト)でヒートアップしているらしい。今度はオープンソースがらみの問題で、フリー・ソフトウェア財団の設立者であるリチャード・ストールマンとリーナス・トーバルズに噛みついたもようだ。
電話の声はまた、JBossが最近になってHPやアージュナから技術を買い漁っていることにからんで、マーク・フルーリーと彼のチームが今年、AJAX(Asynchronous JavaScript and XML)ビジネスに乗り出す可能性があると話した。
飛行機に搭乗して自分の座席に腰を下ろすと、隣にはマリブからやって来たという陽気な女性が座っていた。彼女の話によると、オラクルのラリー・エリソンが最近、企業以外のものも盛んに買い込んでいるようなのだ。なんでもマリブの豪邸をいくつか購入したらしい。その中の1軒は、エルビス・プレスリーの元ガールフレンド、リンダ・トンプソンが所有していた邸宅だという。
そのとき吾輩の脳裏に、白いジャンプスーツを着たラリーが空手のエキシビジョン・マッチで、MySQLのマーティン・ミコスとSAPアメリカのビル・マクダーモットに挑戦する姿が浮かんだのは、どうしてだろう?
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
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