[コラム:Spencer
F. Katt]
オープンではなかったシスコのNACプログラム
2006/5/16
「ついていないな」と吾輩は不満をもらした。ラスベガスのマンダレイベイ・ホテルで開かれたInteropとヒルトン・ラスベガスのバリー・マニローの公演日程が重なっていたからだ。だが、にわかマニロー・ファンの嘆きにもかかわらず、Interlopの来場者は昨年より増えていた。基調講演をスルーすれば、もしかするとマニロー・マジックの恩恵にあずかれるかもしれない……、などと吾輩は例によって未練がましかった。
それはさておき、5月2日の火曜日、エクストリーム・ネットワークスの共同創立者、ゴードン・スティットとアバイアのCEO、ドン・ピーターソンが並んで座り、アナリストからの質問に仲良く答えている姿を目撃した。明らかに、彼らは両社の数年にわたるパートナーシップの成果を喜んでいるようだった。水曜日には、ジュニパー・ネットワークスのCEO、スコット・クリエンスとグーグル・エンタープライズのGM、デイブ・ジルアードも別のセッションで同席した。ネットの中立性に関する議論で両社はしばしば意見を異にするので、面白いやり取りが聞けるだろうと期待したのだが、コンテントプロバイダを変更するメリットとインターネット利用料金の定額制についてもっと踏み込んだ議論をしてくれたら、もう少しは楽しめたかもしれない。
いつものようにシスコのブースがうんざりするほど混んでいた。が、会場のフロアでは、シスコのオープンNAC(Network Admission Control)プログラムについて、「実はオープンでもなんでもなく、少なくともシスコのスイッチと競合する限り、オープンであることはまったく言えない」と批判する声が多く聞こえた。なんでもコンセントリ・ネットワークスが競合するネットワークスイッチを発表するやいなや、シスコは同社にプログラムへの参加を辞退するように促す通告書を送りつけてきたそうだ。コンセントリはシスコのNAC実装との統合化を目指して同プログラムに参加したが、撤収を余儀なくされたという。
そのとき吾輩の携帯電話から「コパカバーナ」の軽快なメロディーが流れた。ニューヨークにいる友人からの着信だった。彼の報告によると、タイムズクスエアに掲げられたAMDの大きな広告看板にトラブルがあったらしい。その広告は、同社のOpteronチップを搭載したサーバを利用すれば、企業がどれだけ電気代をセーブできるかを電光カウンタで示すようになっている。当初10億ドル/秒からスタートしたカウンタが、10億6500万ドル/秒を超えたところでストップしたそうだ。おそらくAMDの広告担当者の心臓もストップしたに違いない。もっとも幸運なことに、カウンタは数分後に再スタートしたとか。
「It's a miracle……」と口ずさみながら電話を切ったあと、吾輩は再びInteropの会場に目を移した。「パフォーマンスゾーン」は、アプリケーション・アクセラレーションやWAN最適化ベンダが集まっていたことから「アクセラレーション・アレー」とも呼ばれていたが、吾輩はそこでいくつか興味深い噂を耳にした。まず、帯域管理プロバイダのパケティアが近く、タシット・ネットワークスの買収に乗り出すらしい。また、フォース10ネットワークスは今年始めにIPOを申請しようとしたが、なにかの手違いがあったようで、CFOがその責任を取って辞任したそうだ。同社はいったん仕切り直して再びIPOを目指すという。“Ready to take a chance again”というわけだな。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
Many Interop Highs, Manilows
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