[コラム:Spencer
F. Katt]
インベスターズ、インベスターズ、インベスターズ!
2006/6/13
「透明人間になれたら、誰かの部屋に忍び込んで1日中そいつを後ろから観察していたいね」。ロンドン大学インペリアルカレッジのナノテク研究者たちが“メタ素材”を使って“透明マント”を作ろうとしているというニュースを聞いて、吾輩はちょっと興奮した。なんでも開発中のナノテク素材には光を屈折させる特性があり、それをまとった人間は周りから見えなくなるらしい。そんな素材のステルス・スーツがあれば、パメラ・アンダースン(プレイメイト出身の女優)の家のどこかに居心地のいい場所を見つけて……、などと妄想が止まらない吾輩であった。
だらしなく口をあけて荒い息をしていると、キャットフォンが鳴った。強気の相場師として尊敬を集めるウォール街の友人からだった。彼の情報によると、マイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマーが証券アナリストとの会見で、すっかり有名になった“Monkey Boy”ダンスビデオについて触れ、「ここでいきなり私がインベスターズ、インベスターズ、インベスターズ! と絶叫し始めることはありません」と述べて出席者を安心させたとか。
そのバルマーだが、マイクロソフトはこの先10年間のさまざまなデジタル化計画で、机の上から紙と鉛筆を放逐すると力説したそうだ。まあ、それはいいけど、ビル・ゲイツが2004年に「スパム問題は2年以内に解決する」と大口を叩いたのはどうなった?
で、そのビル・ゲイツは、カリフォルニア州カールズバッドで開かれたウォールストリートジャーナル紙主催の「D:4 All Things Digital」カンファレンスに出席し、来年か再来年あたりに発表するハンドヘルドデバイスについて、いくつかヒントを残していったそうだ。
友人からの電話を切ったあと、吾輩は古いアフガン編みの毛布にアルミホイルをラップすれば、もしかして透明マントが作れるのではないかと考えた。が、あまりにも馬鹿馬鹿しいアイデアなので、さすがに思いとどまり仕事に戻ることにした。すると同僚が、マイケル・デルがさきごろノースカロライナ州ウィンストンセーラムに建設したデルの新しい製造拠点を視察した、というニュースを教えてくれた。稼動から7カ月の新工場には、現在およそ1000人の従業員が働いている。視察後、「ウィンストンセーラムのオペレーションは、当社で最も効率的なものになりつつある」とデルは満足そうだったという。
一方、同じ業界でありながら、ゲートウェイはミズーリ州カンザスシティのコールセンターを今夏までに閉鎖すると発表した。従業員130人にはすでに通知が出され、同地の販売およびサービス機能はサウスダコタ州の事業拠点に吸収される。
吾輩は透明人間になったつもりでオフィスから姿を消し、ボストン市内のクーガンズ・バーで友人とゆっくりランチを楽しむことにした。2人でビールを飲みながら情報交換していると、CAがWindows Vistaの利用を検討している人々にeTrust EZ Antivirusのフリーバージョンを提供するらしい、と友人が教えてくれた。なるほど、ジャングルに分け入る前に予防接種をしておこうというわけか。
また友人の話では、モルガン・スタンレーがさきごろ全米仲裁協会(NAF)に、“Meow”(マイケル・ウッズのペンネーム)がMyMorganStanleyPlatinum.comというドメイン名を取得したのは不当だとして、仲裁の申し立てをしたそうだ。NAFに提出されたウッズ側の答弁書は、きわめて想像性豊かなものだったという。「ウッズの主張によると、“Meow”はペットの猫であり、その猫がウッズにドメイン名の使用を許可しているらしい」と友人。もちろんウッズの作り話は退けられ、NAFはモルガン・スタンレーの申し立てを正当であると認めた。
*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です。
[英文記事]
Visible Man Hits Wall Street
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